<新戦力-駅伝実業団の精鋭たち-長崎県>メモリード 康本花梨(ユニクロ)

1500メートルを主戦場に駅伝でも好走が期待される康本=長崎市、ベネックス総合運動公園かきどまり補助競技場

 メモリードは全国一線級の獲得に成功した。2月までユニクロに所属していた実業団6年目の康本花梨(かりん)(27)が加入。1500メートルを専門にするスピードランナーで「環境が整っていて、中距離練習もしっかりやれる」と長崎を新天地に選んだ。1500メートルと800メートルで日本選手権の参加標準記録を突破済み。トラックシーズンから活躍が期待される。
 持ち記録は1500メートル4分18秒26、3000メートル9分9秒36。800メートルは長崎県記録より2秒以上速い2分6秒42で走っている。このすべてを過去2年以内にマークしている点で評価が高い。
 実業団はどうしても駅伝中心の練習が多くなりがちだが、その点、メモリードは個々の事情に応じた練習を許容しており、中距離を軸に置きたい康川と考え方が合致。川谷勇貴ランニングコーチの存在も大きく「自ら走って引っ張ってくれるコーチがいるのといないのでは、練習の質が全然変わってくる」と加入を決めた。
 駅伝経験も豊富で、須磨学園高(兵庫)では2年時の2013年全国高校駅伝で3区を担い、3位入賞に貢献した。日体大を経て入社したユニクロでは1年目の19年から昨年まで4大会連続で全日本実業団女子駅伝(クイーンズ駅伝)に出場。21年は2区(3.3キロ)を区間8位でつないでいる。「どの区間を任されても区間1桁で走るつもり」と駅伝シーズンもフル稼働を約束する。
 16年からクイーンズ駅伝の予選会に参戦しているメモリード。全国切符に届かず、県内ライバルの十八親和銀行に勝った例もないが、今季は白熱した争いを繰り広げるかもしれない。

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