豪雨で見つかった180万年前の「化石樹」見てほしい 地元住民らが展示場開設

「愛知川の清流を守る会」が整備した化石樹の野外展示場(東近江市永源寺相谷町)

 昨年8月の豪雨で滋賀県東近江市の愛知川から見つかった樹木の幹の化石「化石樹」の野外展示場を、地元住民らの環境保全団体「愛知川の清流を守る会」が同市永源寺相谷町につくった。約180万年前の古琵琶湖層群の地層にあったものとみられ、関係者は「地域の宝を見守り、後世へ伝えたい」としている。

 切り株のような化石樹は高さ約1.5メートル、最大の直径約1.8メートル、重さ約2トン。豪雨による増水で出土後に流され、山上町付近の河道にあったのを清掃中の会員が発見した。放置すれば朽ちたり破損したりする恐れがあるため同会は地域資源を活用することにした。県と市の協力で現場から約2キロ上流の愛知川漁協の事務所横へ運び、展示場には説明案内板と屋根を設けた。

 4月17日に式典があり、小椋正清市長ら地元関係者がテープカットした。同会の川戸英司会長は(72)は「住民だけでなく、観光客にもぜひ見てもらいたい。子どもの教育にも活用できれば」と話した。

 愛知川では過去にも化石樹が出土している。今後、展示物の劣化を防ぐため樹脂加工を検討するという。

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