農産物PR「おじさん」動画好評 宇土市「小森ファーム」 トマトやメロン、自慢のジュースも配信  

自慢のトマトジュースや農家の現状などをSNSで発信する「小森ファーム」の小森公明さん=4月25日、宇土市
糖度別に販売する「小森ファーム」のトマトジュース=4月25日、宇土市

 宇土市でトマトやメロンなどを栽培する「小森ファーム」が、交流サイト(SNS)を駆使した情報発信で話題を集めている。代表の小森大将さん(43)の父・公明さん(69)は、商品名にちなみ「まいひめおじさん」という名前で動画発信を続ける。こだわりのトマトで作るトマトジュースを紹介した動画は、動画投稿サイトのユーチューブで700万回以上再生され、売り上げに貢献している。

 約4800平方メートルの畑と所有する山で中玉トマトやメロン、太秋柿を栽培する農家歴約50年の公明さん。「直接消費者に販売し、農家の現状を伝えたい」との思いで、昨年8月からSNSでの発信を始めた。複数のSNSで情報を発信し、現在フォロワーは計17万人に上る。

 投稿する動画は、メロンに迫る糖度を誇るトマト100%のジュースを作る苦労や農家の現状、地元の名所の紹介などさまざまだ。トマト栽培では、養分を豊富に与え、極力水を与えないように工夫する。そうした苦労を細かく紹介した動画が年末に注目を集め、ジュースの注文が昨季の約10倍になったという。

 公明さんは「SNSの発信を商売につなげるのは難しく、批判するコメントで心を痛めることもある」とする一方、若い世代の農家にもSNSでの発信を期待している。「資材価格の高騰や農家の高齢化などの問題がある中、日本の農業の未来を元気にしたい」(古東竜之介)

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