「諫早文化」第19号刊行 特集に俳優・役所広司さんと作家・垣根涼介さん

役所さん、垣根さんを特集に組んだ「諫早文化」

 長崎県の諫早市芸術文化連盟(山下博之会長)が第19号となる本年度の機関誌「諫早文化」を刊行した。特集には、第76回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した俳優、役所広司さんと第169回直木賞に輝いた作家、垣根涼介さんを取り上げた。
 諫早出身の2人には昨年度、それぞれ市民栄誉賞が贈られ、市内で授与式があった。役所さんの特集は、大久保潔重市長、諫早出身の脚本家、市川森一さん(故人)の妻で俳優、柴田美保子さんとの式典トークイベント。古里や映画への思いを語り、「若い人たちには外に出て、もっと広い所に行っていろんな人たちと交流していただけると故郷も豊かになる。頑張ってください」などと述べた発言全文を紹介している。
 垣根さんは書き下ろしの「町の灯(あか)り」を寄稿。「それぞれの人間がそれぞれに生きて、夜間にもまだ活発に動き働いていることを示す何よりのシグナル」である町の灯りは「見る者の琴線に触れる何かがある」とし、「人にとって唯一有限なのは、時間のみだ。今も消えゆくこの一瞬一瞬を、出来れば愉快に過ごしたい」と人生観、心の持ちようをつづった。
 特集について、上村紀元編集委員長は取材に「若い人たちが2人の活躍に刺激を受け、諫早から新たな才能が出てくることを期待している」と話した。
 優れた現代詩に贈る第34回伊東静雄賞受賞作、第24回市中学生・高校生文芸コンクール受賞作なども掲載。B5判112ページ。14日以降、市内書店や市役所売店などで販売(1100円)する。

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