小学校で無免許の男性が授業、急な欠員で「臨時免許」の発行間に合わず 背景には10年で4割減“先生のなり手不足”

北海道小樽市の市立小学校で、小学校の教員免許を持たない男性が無免許で授業を行っていた問題。学校では保護者説明会が開かれています。

男性は「臨時免許」をもらって教壇に立つ予定でしたが、取材を進めると背景の一端がみえてきました。

小樽市立潮見台小学校では、先月8日からの1週間中学校の教員免許しか持たない20代の男性が、小学校の臨時免許が発行される前に当時の校長から依頼され無資格・無報酬で授業を行っていました。

臨時免許とは、教員を確保できない時に道などが発行できる制度です。

潮見台小学校では、3月初めに教員の欠員が判明。男性の臨時免許に必要な書類が整ったのは先月1日でした。

制度上、申請から交付まで15日かかるため、始業式までに間に合わなかったのです。

今回の小学校のように、生徒や学級の数が決まるのが3月になることが多いなか、急な欠員で教員が足りなくなり、臨時免許の交付が、新学期にずれ込むこともあるといいます。

道教育庁教職員課 糸畑啓 課長補佐
「どうしても年度当初や年度末は、時間のない中で申請が上がっているという実情はある」

もうひとつ、背景にあるのは「先生のなり手不足」の問題です。

青い棒グラフは、北海道内の教員採用試験の受験者数を表しています。

10年前には4600人あまりでしたが、昨年度はその6割程度、3000人を下回っています。

それに対し、オレンジ色の折れ線グラフで示した「臨時免許状の発行数」は10年前から急増、昨年度は200人ほどになりました。

また、学校の種別を見てみると、小学校が全体の6割を占めています。

道教育長教職員課 安保幸 課長補佐
「(教員採用試験の)受験者が減ってきている。全国的な課題だが先生になってくれる思いをもった人が少しづつ減ってきている」

急な欠員の発生、そこに重なる「教員のなり手不足」。臨時免許をめぐる問題に改善の道は見えてくるのでしょうか。

© 北海道放送株式会社