【日本ハム】新庄監督「土下座じゃないですけど…」 柳川大晟の支配下登録〝前倒し直訴〟の背景

柳川大晟(左)の支配下登録発表会見に同席した日本ハム・新庄監督

文字通りの「救世主」となるか。日本ハムは10日、育成契約だった柳川大晟投手(20)と支配下契約を結んだと発表した。

この日のロッテ戦前にエスコンフィールド内で新庄監督とともに会見に臨んだ高卒3年目右腕は「ファイターズの優勝に貢献できるように頑張ります」と笑顔。8日に二軍本拠地の鎌ケ谷で吉報を告げられ、会見中は終始緊張気味だったが「まずは先発として、少しでも長いイニングを投げられるよう頑張ります」と言い切り「ファイターズのエースを目指したい」と最後は高い志を掲げた。

柳川は当初、今夏以降に支配下登録される予定だった。だが、この時期に前倒しされた背景には新庄監督直々のフロントへの「要望」があったという。

「球団の流れとしては、夏ぐらいに支配下に上げるという考えはあった。でも(早めに)お願いしますと。柳川君は早く(背番号を)2桁にしないと腐るという僕の判断でね。(フロントに)土下座じゃないですけど、それぐらいお願いして」(新庄監督)

今季のチームは開幕直後からAクラスを確保しているものの、試合前までの直近5試合は1勝4敗。一時期の勢いに陰りが見え始めていた。それだけに191センチの長身を誇り、最速157キロの直球を武器とするフレッシュな大型右腕が躍動すれば、ベンチやナインにも大きな刺激になる。指揮官はそんな思惑を込めての球団への直談判だったのだろう。

新庄監督はすでに柳川の初登板について「26日の楽天戦(楽天モバイル)で先発させたいと思っているんですけど、交流戦一発目の甲子園(28日、阪神戦)でも面白いかな」と早期の起爆剤投下を宣言。会見終了時には187万円で購入したというネックレスもプレゼントした。

「最終的には抑えになると思いますが、たぶん12球団ナンバーワンの投手になる可能性があるんでね」と大きな期待を寄せる逸材。指揮官の熱い思いは実を結ぶのか。柳川の活躍とともに、チームへの波及効果も注目される。

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