大谷翔平の3冠王獲得確率「14・6%」米サイトAIが衝撃数字〝それでも不可能ではないはず〟

常に熱い視線が注がれる大谷。存在感は別格だ

ドジャースの大谷翔平投手(29)の3冠王獲得確率は――。米野球データサイトのファングラフスが10日(日本時間11日)に「大谷翔平に3冠王獲得の可能性がある」と題する記事で大谷が3冠王を獲得する可能性を検証した。9日(同10日)時点で打率3割5分5厘はナ・リーグトップ、11本塁打は同2位、27打点は同6位でトップとは11打点差だ。同サイトは予測システムのZiPSを利用して45本塁打でタイトルを獲得する確率は52%、打点王は22%とし、打率を含めた3冠王の確率を14.6%とはじき出した。

同サイトは「大谷は不条理なことを起こす傾向がある。彼が米国にやって来たとき、投球だけではなく打撃も対応できるか懐疑的な人もいた。現在、打率ではリーグトップであり、本塁打と打点も後れを取っていない彼には3冠王というもう一つまれな偉業を成し遂げるチャンスが到来している」と前置きすると検証を開始した。

打者を評価する指標である「打率/出塁率/長打率」が、9日時点で大谷は「3割5分5厘/4割2分5厘/6割7分8厘」であるのに対し、ZiPSでは「3割5分4厘/4割4分2厘/7割8厘」となっており、大谷の成績が予測を下回っていることを指摘、つまり大谷はさらに成績が良くなる可能性があるのだ。

「ある選手がこれほど好調なシーズンを過ごしながらも、依然としてパフォーマンスが低迷しているというのは、言い尽くせないほど異常なことだ」と力説した。

続けてBABIP(本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合)に注目。3割5分を超えるのが非常に珍しい指標で、メジャーでも最低5000打席に立った打者で超えたのは過去に13人しかいない。大谷の今季のBABIPは現在3割9分1厘。ZiPSではメジャートップの4割1厘で、最低100打席に立った打者では2位レイズのアメド・ロサリオの3割7分3厘とは大差だ。これにより打率は現在、期待されている2割7分6厘から3割1分8厘と上方修正されると指摘した。

また、バレルにも目を向ける。バレルとは長打が出やすい打球速度(初速98マイル=約157・7キロ)と打球角度(26~30度)を組み合わせた打球のことで、大谷は今季すでに30バレル記録している。2015年のスタットキャスト導入以来、90バレルを達成したのはア・リーグ記録を更新する62本塁打放った2022年のヤンキースのジャッジ(106バレル)一人だけ。大谷は現在、驚異の約120バレルペースだという。

最終的に大谷がナ・リーグで打撃タイトルを獲得する可能性を22%、45本塁打で本塁打王になる可能性を52%とした。打点ではトップのブレーブスのオズナと11打点差だが、「オズナがシーズンを通して得点圏で長打率8割6分4厘をマークし続けることは難しく、大谷の得点圏での長打率が2割7分5厘で終わることはない」とし、打点王に輝くチャンスを22%と予測。本塁打数と打点は高い相関関係にあるため、本塁打と打点でナ・リーグトップになる可能性は36%とし、そこに打率を加えたナ・リーグ3冠王を獲得する確率を14・6%とはじき出した。

14・6%という確率は決して高くはないが、同サイトは「大谷はキャリアを通じて、何が可能なのかについて私たちの理解を広げてきたため、15%の確率で何かを達成することは彼にとって簡単に思えるほどだ。そして、それは不可能に近いことを普通に思わせる、まさに偉大な人の表現にピッタリだ」と結んだ。

2021年のミゲル・カブレラ(タイガース)以来の3冠王誕生に期待だ。

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