大谷翔平、昨季はなかった欠場示唆 エ軍時代と違い明白も…変わらぬ勝利への執念

ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

腰の張りで途中交代…指揮官は欠場を示唆

ドジャース・大谷翔平投手は11日(日本時間12日)、敵地・パドレス戦の9回に腰の張りで代打を送られ交代した。今季3度目の途中交代。デーブ・ロバーツ監督は試合後、翌12日(同13日)は欠場を示唆。エンゼルス時代と対応は大きく違った。

この日、「2番・指名打者」で出場。3打数無安打1四球で迎えた第5打席で途中交代した。ロバーツ監督は「無理させたくなかった。明日(どういう状態か)確認する」としつつ「(状況は)変わることになり得るが。おそらく可能性が高いこととしては、我々は休ませる考えだ」と欠場も示唆した。

思い起こすのはエンゼルス時代の昨年9月4日(同5日)。本拠地・オリオールズ戦の試合前に右脇腹を痛め、試合を欠場した。以降、当時のフィル・ネビン監督は試合前に何度も「体調は問題なさそう」「翌日は出場するかもしれない」と軽症を強調し続けた。結果的に状況が良くなることはなく、負傷者リスト(IL)入りしたのは12日後の16日(同17日)。エンゼルスの地区優勝が完全消滅した翌日だった。

エンゼルス時代は常に試合に出ることを第一に考えていた。一方、ドジャースでは1日(同2日)にムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン両内野手より先に今季初欠場。11日(同12日)を含めるとすでに3度途中交代している。決して試合に出ていないわけではないが、指揮官の対応を見ると、昨季との違いは明白だ。

チーム事情もあるだろう。ドジャースは現在、27勝14敗でナ・リーグ西地区を独走。この日、大谷が無安打でもチームは5-0で勝利した。マイク・トラウト外野手、アンソニー・レンドン内野手らが負傷し、“大谷頼み”だったエンゼルスとは違う。

いずれにせよ、昨季の出場示唆、今季の欠場示唆は内容こそ違えど、ともにチームの勝利を第一に考える大谷ならではのこと。そして、ドジャースは今後10年間を見据えてのことというのは間違いない。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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