PSYCHIC FEVER、シンガポールで初パフォーマンス 現地ファンも巻き込んだ大盛況のステージに

PSYCHIC FEVERが5月10日、シンガポールで同月8日~11日にかけて開催された世界三大音楽見本市『MUSIC MATTERS LIVE 2024』に初出演を果たした。同イベントは、7日より開始した『CreatorWeek』の目玉イベントで、フランス・カンヌでの『MIDEM』、アメリカ・テキサスでの『SXSW』と並ぶ「世界三大音楽見本市」の一つとされている。

PSYCHIC FEVERは、熱くもスタイリッシュな彼ららしいパフォーマンスを繰り広げ、現地のファンをイベント初出演とは思えぬほど大いに盛り上げた。本稿では、その様子をレポートする。

PSYCHIC FEVERのステージは、イベントMCの叫ぶようなグループ紹介から始まった。MCが「日本から来たPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE!」とアナウンスすると、会場からは甲高い歓声が上がる。多くの観客がスマートフォンを手にしてステージを撮影する準備をしており、期待に胸を膨らませた様子で、メンバーの登場を待ち侘びていた。

ステージ上の大スクリーンに「PSYCHIC FEVER」のロゴが映し出されると、音楽とともに7人が登場。まずは重たいビートとその中に響くメンバーのラップ、クリアに伸びる歌声が印象的な「Up and Down」を披露した。曲中でメンバーが「Make some noise!」と会場を煽ると、観客もそれに反応し、大きな歓声が沸き上がっていく。特にサビでは、リズムに合わせてジャンプをしながら楽曲を楽しんでいるファンの姿も多数見られ、PSYCHIC FEVERのステージは1曲目から大盛り上がりとなった。

続いて、TikTokで再生回数1億8,000万回を突破、Spotifyのバイラルチャート トップ50ではアジア9つの国と地域でチャートインを果たし、シンガポールでは最高2位を記録した新曲「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」を披露。SNSや音楽チャートで各国の音楽ファンから注目を集めた楽曲ということもあり、パフォーマンスでは、サビを中心に観客の大合唱が響く場面も。メンバーの歌に合わせたかけ声も自然発生的に沸き起こっており、多くのファンに愛されている楽曲であることを実感する一幕となった。

ここでMCへ。まずはWEESAが「What’s up Singapore!」と英語で挨拶をすると、観客が大きな歓声でその挨拶に応えていく。WEESAがグループ紹介を行った後、剣が「Hey, guys! I’m Tsurugi」と自己紹介し、「いい夜を過ごせていますか!」と会場を煽る。そして、小波津志が「Do you know us?」と問いかけると、観客からは再び大きな歓声が。小波津はその歓声に満足そうな声を上げて自己紹介を行い、そのままマイクを中西椋雅と半田龍臣へ。中西と半田は現地語(シングリッシュ)で挨拶を行い、現地ファンの心を掴んだ。最後にJIMMYと渡邉廉が英語で自己紹介と簡単な挨拶を行うと、再びWEESAがマイクを握り、今回のイベントは初めての出演だったことを述べ、「Thank you for coming today!」とファンへの感謝の気持ちを言葉にした。

WEESAが次は新曲を披露することを告げると、メンバーが観客に背を向けてダンスのフォーメーションを組み、4月3日にリリースされた2nd EP『PSYCHIC FILE II』の2ndリード曲「BEE-PO」のパフォーマンスがスタート。幻想的なサウンドの中に響く小津波やWEESAの甘い歌声が観客を魅了し、サビでは〈S-O-S〉という印象的な歌詞の部分でメンバーの振り付けに合わせて踊るファンの姿も見られ、この楽曲でも観客が心からパフォーマンスを楽しんでいることが伝わってくる。楽曲のラストでは、メンバーの息がぴったりと揃った一糸乱れぬダンスでもファンを惹きつけ、熱を帯びた空気をそのままに、メドレーのパフォーマンスへ。

7人は観客にさらなる盛り上がりを求めて手を上げるよう促すと、「Tokyo Spilal」「Spred The Wings」「Spark It Up」をメドレー形式で披露。その後、今回のステージで最後となるMCパートへと移った。

小津波が、次が最後の曲となることを告げると、会場からは悲しそうな声が沸き起こる。小津波はその声を受けて「僕らも寂しい」と英語で語りかけ、最後の曲でも観客に心の底から盛り上がって、楽しんでほしいことを伝えた。そして、「Everybody, are you ready?」と尋ねると、観客からは盛り上がる準備はできていると答えるかのように歓声が上がり、メンバーが会場に「手を上げて!」と煽ってから、渡邉によるヒューマンビートボックスが行われた。渡邉が生み出すビートに合わせて小津波がメロディを口ずさみ、観客にも歌うよう促していく。観客から小津波のメロディをなぞるように歌声が響くと、「FIRE feat. SPRITE」のパフォーマンスがスタート。ライトで赤く染まったステージで、低音がクールなラップや、しっとりと情熱的な歌声、ダイナミックながらも細部にキレを感じるダンスを繰り広げるメンバーの姿は圧巻。楽曲の終盤には、メンバー全員で勢いのある力強いダンスを披露して会場の盛り上がりは最高潮に。最後まで観客の目線をステージ中央に惹きつけて、世界三大音楽見本市『MUSIC MATTERS LIVE 2024』でのPSYCHIC FEVERの初ステージを終えた。

かねてから、アジアを中心に海を越えた幅広いフィールドで活動を展開してきたPSYCHIC FEVER。今回のイベントでは、アジアを中心にバイラルヒットしている「Just Like Dat」のみならず、ほとんどの楽曲で現地のファンによる合唱やかけ声とメンバーのパフォーマンスがシンクロする姿が見られており、PSYCHIC FEVERの活動はまた新たなフェーズへと突入したように感じられた。さらにはファンのみならず本イベントに集まった世界中の音楽関係者や現地の音楽ファンからも絶賛の声が届き、Xではシンガポールのトレンド入りするなど、PSYCHIC FEVERを世界へアピールできるステージとなったのではないだろうか.

彼らは今後、5月18日より『PSYCHIC FEVER ASIA TOUR 2024 "HEAT"』を開催予定だ。このツアーでは、アジア地域での公演も開催する予定だという。PSYCHIC FEVERの活動は、今年もさらなる広がりが見込まれる。彼らの今後の楽曲やステージを楽しみに待ちたい。

(文=市岡光子)

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