伊勢原で18日に花火大会 10回目の節目 震災やコロナ禍も…「市民の底力」で引き継ぎ定着

第10回の節目となる花火大会をアピールする柏木実行委員長=8日、伊勢原市役所

 伊勢原の夜空を光と音で彩る「いせはら芸術花火大会」が18日、伊勢原市総合運動公園(同市西富岡)で開催される。市民有志による実行委員会が企画・運営する大会は10回目を数え、節目を飾る演出も着々と準備が進められている。第2回から実行委員長を務める柏木貞俊さん(60)は「量より質で心に残る、人生の一ページになる大会を見に来てほしい」とアピールする。

 大会は「伊勢原の子どもたちに花火を」と2009年に始まった。これまで東日本大震災や新型コロナウイルス禍などで途切れることはあったが、「こういう時代だからこそ花火を見て元気を出してもらいたい。市民の底力で何とかしようという意地」(柏木委員長)で引き継がれてきた。節目を迎え、伊勢原の花火として定着してきた手応えを感じるという。

 行政主体ではなく市民有志の運営のため、会場使用料を支払い、公園の遊具を守る防火シートも自ら準備する。近年の物価高騰は花火の火薬代、警備員の人件費などに跳ね返り、台所事情は苦しいが、民間からの募金や協賛金に支えられた。

 地元の協力も欠かせない。伊勢原を良くしたいとの思いが、一般ボランティアや消防団、周辺企業や関係機関を一つにまとめて運営を支え、音に敏感な養鶏農家などの理解につながっているという。

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