檜枝岐歌舞伎、奉納の夜舞台 280年の伝統脈々、歴史物語堪能

熱演が繰り広げられた檜枝岐歌舞伎「奥州安達ケ原 文治館の段」=12日午後、檜枝岐村・檜枝岐の舞台

 約280年の伝統を誇る檜枝岐村の檜枝岐歌舞伎は12日、同村の国指定重要有形民俗文化財「檜枝岐の舞台」で、愛宕神祭礼奉納として上演された。

 村民らでつくる千葉之家花駒座の熱演が繰り広げられ、観衆が檜枝岐歌舞伎独自の演出が加えられた歴史物語を堪能した。

 花駒座は愛宕神と8月の鎮守神の祭礼に合わせて、奉納歌舞伎を披露している。舞台清めの「寿式三番叟(さんばそう)」で幕開けし、舞台の周辺は夜の闇に包まれていった。

 都の勢力に戦で敗れた安部一族の苦心を主題とした「奥州安達ケ原 文治館の段」が披露された。座員たちが、一族再挙を志した人たちの感情の機微を丁寧に表現し、会場から温かい拍手が送られた。

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