V長崎 3戦連続ドロー 22本のシュート、決定力欠く 2試合無得点

 明治安田J2第15節最終日(12日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=8試合)V・ファーレン長崎は岡山と0-0で引き分けた。3試合連続のドローで、クラブ記録に並ぶリーグ戦13戦負けなし。通算8勝6分け1敗の勝ち点30で2位をキープしたが、首位清水との勝ち点差は7に広がった。

【V長崎-岡山】前半8分、V長崎のマルコス(右)がシュートを放つも、相手に阻まれる=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 V長崎は前半8分、マテウスのスルーパスからマルコスが抜け出して好機を迎えたが、2度のシュートはGKとDFに阻まれた。16分にマテウスがエジガルジュニオとのワンツーからゴールを狙ったシュートもGKに防がれた。
 0-0で折り返した後半は押し込まれる時間がやや増えた。終盤に左サイドから何度か好機を迎えたもののゴールにつなげられず、2試合連続無得点。守備陣は前節に続いて無失点で守り切った。
 横浜FCは熊本と0-0で引き分けて4位に後退した。甲府は後半追加タイムに追いつき、千葉と2-2。山口はいわきに2-1で競り勝って5位に浮上した。栃木は徳島に0-1で競り負けて9戦勝ちなし。
 第16節は18、19日、各地で計10試合を実施。V長崎は18日午後3時から鹿児島市の白波スタジアムで18位鹿児島と対戦する。

◎「寂しい」2試合無得点 13戦負けなしも…
 打っても、打ってもゴールネットを揺らせない。今季最多22本のシュートは空砲に終わった。リーグトップ級の攻撃力を誇るV・ファーレン長崎だが、ここまで14試合中7試合で無失点の岡山を打ち破れずに2試合連続の無得点。下平監督は「寂しい」という言葉で悔しさを表現した。
 直近の2試合は、相手のハイプレスに苦戦して思うように攻撃が組み立てられなかった。その反省から、今季初めてダブルボランチの布陣を敷いた。前半はこれが効いた。山田がセカンドボールを数多く回収し、秋野が展開して前進する。パスコースを増やしながら中盤を安定させた。前線は3試合ぶり復帰のマテウスが起点となって、何度も好機を演出した。

【V長崎―岡山】前半39分、V長崎の秋野がタックルでボールを奪う=トラスタ

 しかし、後半は流れが一変した。岡山の前線からのプレスに苦しみ、ロングボールを蹴らされる回数が増えた。中盤も間延びして、空いたスペースを突かれた。ひやりとする場面もたびたび訪れた。DF陣が体を張って耐え、終盤は途中出場のフアンマや松澤らの特長を生かして再び攻勢に出たが、歓喜の瞬間は生まれなかった。
 2試合連続無失点は収穫といえる。初のJ1昇格を決めた2017年シーズンにマークしたクラブ記録「13戦負けなし」にも並んだ。ただ、3試合連続ドローで足踏みする間に、7連勝で首位を走る清水との勝ち点差は7に広がった。この「勝ち点1」に満足している選手はいないはずだ。次節は鹿児島との九州ダービー。クラブ新記録を、勝利で飾りたい。

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