十八親和銀行 3期連続増収 2024年3月期決算 2期ぶり増益

 十八親和銀行(長崎市)が13日発表した2024年3月期決算は、売上高に当たる経常収益が前期比129億円増の809億円で、2020年10月の合併後3期連続の増収。純利益は31億円増の105億円で2期ぶりの増益となった。
 本業のもうけを示すコア業務純益は29億円増の191億円。貸出金利息や有価証券利息配当金など資金利益が伸びた。新たな少額投資非課税制度(NISA)開始もあって、投資信託や保険の販売も好調だった。
 25年3月期の業績予想についても、株高や日銀のマイナス金利解除などを背景にこの流れが続くとみて、中期経営計画の目標を上回る純利益141億円を見込んだ。
 会見した山川信彦頭取は「合併から3年半が経過しシナジー(相乗)効果は着実に業績面に反映している。地域を支えていく銀行として健全性を維持するために必要な安定的な利益を積み上げることができる体質になった」と述べた。
 貸出金残高(平均)は2833億円増の4兆1501億円。政府向けが大幅に増え、個人・法人向けも堅調に推移した。預金残高(同)も419億円増の5兆7201億円と順調に積み上げた。投資や保険などの個人預かり資産残高(3月末)は915億円増の6576億円。
 取引先の倒産に備える信用コストは33億円を繰り入れた。山川頭取は「物価高、資源高、人件費高、金利高に直面し(取引先の)経営に与える影響はかなり大きい。とりわけ人材不足で業務を継続できないところが出てくる可能性も否定できない」として効率化投資や人材確保を後押しするとした。

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