災害発生時の生活用水確保へ 井戸を持つ市民に協力を呼び掛け 東かがわ市【こつこつ防災】

防災の話題を伝える「こつこつ防災」です。地震などの災害で断水が発生した時、生活用水を確保する手段として井戸水が注目されています。香川県東かがわ市で2024年度から始まった「災害応急用井戸」の取り組みを取材しました。

災害発生時に大きな問題となるのが、断水時の水の確保です。1月の能登半島地震でも断水が続き、被災者が水を求めて給水車に並びました。

私たちの生活に欠かすことができない「水」。厚生労働省の調べでは、1人が1日300Lを使っているとされています。

東かがわ市は4月から「災害応急用井戸」の登録を始めました。井戸を持っている市内の家庭や事業所に対して、災害時に「生活用水」として井戸水を提供してほしいと呼びかけています。災害時だけではなく「渇水時」の利用も想定しています。

橋本勇さんは4月上旬、自宅の井戸を「災害応急用井戸」に登録しました。井戸は庭の隅にあり、普段は電気でくみ上げていますが、災害時に停電になっても手押しポンプを使って手動で水をくむことができます。

橋本さんによると、この井戸は少なくとも60年以上前からあり、現在は庭の水やりや洗車などに利用しています。

(災害応急用井戸に登録/橋本勇さん)
「困ったときはお互い様や。貴重な井戸や便利がいいしな。(Q.水があるだけで気持ちが違いませんか?)電気が使えんようになったらポンプがあったら便利が良い」

(東かがわ市 環境衛生課/植田拓身 課長)
「能登とかの地震の際に、やっぱり初期の生活用水がとても困っている。(断水)期間は想定しづらいので、できるだけ『共助』という形の仕組み作りができたらな」

東かがわ市は、空き家などで管理されていないものや枯れて水が出ないものも含めると、市内に約260の井戸があると推計しています。

災害応急用井戸には募集開始から1カ月で40を超える申請がありました。登録された井戸には市民がわかりやすいように、「災害用井戸」と記した札を掲出してもらいます。

また、今後は東かがわ市のホームページなどに災害応急用井戸の場所を掲載することにしています。

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