YouTube配信開始1年目は登録者数600人→いまや100万人…まるで雪崩のように、突然バズり始めた「1本の動画」【企業のSNS運用のヒント】

(※写真はイメージです/PIXTA)

企業のSNS運用。はじめてまもないころは数字が伸びず、この段階で多くの人が諦めてしまうでしょう。では、実際にバズらせた人はどのような経緯をたどったのでしょうか? 本稿では、YouTubeチャンネル登録者数100万人超えの株式会社リンクロノヴァで代表取締役社長を務める長野雅樹氏と、株式会社リセンダーの社員としてSNS企画・演出などを担当する鈴木啓太氏による著書『結果を引き寄せる完全版YouTube TikTokビジネス活用術』(KADOKAWA)から一部抜粋し、SNS運用をはじめたばかりの再生回数が少ないときの考え方について解説します。

はじめたばかりで再生回数もフォロワーも増えないときには

SNSの動画配信をはじめたばかりのころ、多くの人が直面する初期の壁が立ちはだかります。

再生回数が伸びない日々、フォロワーの増加も見られない、「いいね」も付かない、当然ファンもほとんどいない。この期間は、どんなに情熱を持って取り組んでも、簡単に心が折れることがあります。この段階で多くの人が挫折し、途中で撤退してしまうのが現実です。この壁を乗り越えるためには、忍耐強く取り組み続けることが求められます。

多くの初心者が最初の段階で挫折を経験します。熱意を持って毎日のように新しい動画を撮影し、時間をかけて編集し、アップロードする。しかし、見返りとしての再生回数や新しいフォロワーは伸び悩む。この時期に「もっと早く成果を出したい」と焦る気持ちは自然なことです。また、「魔法の方法」があって一気にフォロワーを増やすことができるように思える気持ちもわかります。しかし、それはあり得ないことなのです。

大切なことは、初心を失わず、そして継続することです。動画を出す量を増やし続けることが求められます。ひとつひとつの動画に反応がほとんどなくても、常に改善し、次回の動画作成に役立てることが大切です。トライアンドエラーを繰り返し、どのような動画が反響を呼ぶのか、視聴者が何を求めているのかを実践を通して常に学び続けることが、長期的な成果につながるのです。

この過程を経て、自分だけの独自の動画フォーマットが見えてきます。それが固まってきたとき、これまでの経験や学びを最大限に活かし、よりクオリティの高い動画作りを追求できるようになります。続けることの難しさを理解しつつ、それでも持続することの価値を信じる。それが、TikTokやYouTubeを活用することでビジネスを成功へと導く鍵となります。

このような取り組みは、地味で時間がかかるものかもしれません。しかし、その先には大きな成果が待っている可能性があることを忘れてはいけません。動画作成の成功は、一歩一歩着実に進むことで、確実に目的地へと近づいていくのです。

月100本動画制作中の、あるバズり動画

TikTokやYouTubeでの動画配信をはじめて丸1年の段階では私たちのYouTubeアカウントはたった600人の登録者しかいませんでした。しかし、ある日を境に、驚くことに1日で400人もの新しい登録者が増加。それをきっかけに、まるで雪崩のように、日々1000人ずつのペースでフォロワーが増え続けました。そして、たったの3か月で50万人を突破するという驚異的なスピードでの成長を遂げました。

では、その急成長の背後には何があったのでしょう。平日は週5回TikTokに動画をアップしていました。私が不在のときもあるので、場合によっては撮影日を設けて1日に20本を撮影するという日もありました。しかもまだバズる前でお金が回っていないため依頼のあった会社4社にSNSコンサルティングをしていました。各社の動画も制作して週5回上げていたので、合算すると月に100本も動画を作っていたことになります。

その間、私たちの会社の動画は主に社長と部下の日常の会話を中心に撮影していました。しかし、ある試みを行うことにしました。それは、オフィス内での「料理動画」の制作でした。

初めは単なる気軽な試みとしてはじめました。私がオフィスの中に隠し持っていたかっぱえびせんを盗んで食べるという姑息な動画でした。単純だけどなんだかワクワクするコンテンツが私たちのSNS活動におけるターニングポイントとなったのです。そこから会社内での料理動画というフォーマットで動画コンテンツを量産し、バズりを連発するようになりました。

[図表]トライアンドエラー×時間=成功

長野 雅樹

株式会社リンクロノヴァ

代表取締役社長

鈴木 啓太

株式会社リセンダー

社員

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