研究室から致死量160人分の薬品紛失 大阪公立大

 大阪公立大学(大阪市住吉区)は16日、工学研究科の研究室に保管してあるはずだったシアン化カリウム(青酸カリ)とシアン化ナトリウムが、今月に入って紛失していたことが分かったと発表した。廃棄されたかどうかも含めて行方が判明しておらず、警察に相談するとしている。

あわせて致死量160人分

 大学が発表したところによると、今月2日、工学研究科の教員が研究室の薬品保管庫を調べたところ、シアン化カリウム(青酸カリ)とシアン化ナトリウムともに25mgが入った瓶2本分が紛失していることを発見した。昨年6月に点検した際には存在していたという。

 毒性の強い薬品については、法令に基づいて保管する薬品庫には鍵がかけられ、研究室所属の教員と学生しか開けられないことになっており、また実験などで使用する際はどれだけ使用したかなどを記録することになっている。ただ、ここ10年は使用した記録がないという。そのため大学では誤って廃棄されたか、盗まれた可能性があるとして警察に相談することを決めた。

 なお大学が紛失を認識したのは16日になってからで、研究室の教員が発見してから12日も経っている。会見で報告した大阪公立大学の櫻木弘之副学長は「まずは所在を確認しようということで努力をしたのだと思う。しかし2日から7日までの大型連休の影響で対応が遅れた。隠そうとしたものではないと認識している」と弁明している。

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