8.9の平和祈念式典 露などの招請、月内に結論 長崎市長「ギリギリまで状況見て」 

 長崎県長崎市の鈴木史朗市長は16日の定例会見で、長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典について、過去2年招いていないロシアとベラルーシに今年の招請状を送るかどうかを、今月末にも決めると明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の悪化を念頭に、式典中の抗議デモなど「不測の事態」が起きる恐れがないかを判断基準として、招請国を検討する。
 鈴木氏は一方で「基本的には全ての駐日大使が招請の対象」と言及。参列の意義について「核保有国、あるいは核の威嚇を行うような国だからこそ、被爆の実相に触れ、核使用の非人道的で破滅的な結末を理解してほしい」と述べた。
 広島市は8月6日に開く平和記念式典にロシアとベラルーシを招かない一方、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルは招く方針を表明し、市民らから抗議の声が上がっている。鈴木氏は「広島市の判断や考え方が、長崎市の判断に直接影響を及ぼすことはない」と言明。長崎市として各国に招請状を発送する今月末を期限として、「日々変動する国際情勢を踏まえ、ギリギリまで状況を見て判断したい」と説明した。
 8月9日の平和祈念式典概要も発表。午前10時45分から平和公園(松山町)で開き、参列者は昨年の計画段階と同じ2400人規模とする(昨年は当日の荒天のため屋内で縮小開催)。一般参列は1千人。事前申し込みが必要で、5月27日~6月28日に受け付ける。屋内会場は出島メッセ長崎(尾上町)に2700席、長崎原爆資料館ホール(平野町)に345席を設ける。

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