佐世保市に338万円賠償命令 市所有の通路で転落事故

 佐世保市所有の通路から転落して負傷したのは市の管理に問題があったとして、市内の男性(73)が、市に約1024万円の損害賠償を求めた訴訟で、長崎地裁佐世保支部(矢﨑豊裁判長)は15日、市に約338万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は2019年1月31日午後6時10分ごろ、同市大塔町を流れる飯盛川の護岸沿いを下流方面に歩いていて、川に転落。救急搬送されたが、胸椎を骨折するなどした。転落現場は市の所有地だった。
 原告側は、転落した場所にフェンスはなく、市は転落防止のための十分な措置を講じていなかったと主張。市は、防護柵設置基準が直接適用される場所ではなく、瑕疵(かし)はなかったとして争った。地裁同支部はフェンスがなかったことに対して「安全性を欠いていた」と判断した。
 市土木管理課は取材に対し16日、「現時点で控訴するかは決定していない」と回答した。

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