長崎県陸上選手権男子100 山崎(環太平洋大)大会新で初V 遅咲きのスプリンター

【男子100メートル決勝】10秒38の大会新で制した山崎(環太平洋大、右)=トランスコスモススタジアム長崎

 陸上の長崎県選手権第1、2日は17、18日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で行われ、男子100メートル決勝は山崎一沙(環太平洋大)が無風の条件下で10秒38の大会新をマークして快勝した。従来の記録を0秒02縮めた。植松康太(中大)が10秒49の2位、深山創希(城西大)が10秒58で3位に続いた。
 女子100メートル障害は、4月のU20アジア選手権銀メダルの松田晏奈(長崎日大高)が13秒76の大会新で貫禄勝ち。女子ハンマー投げは竹村紗奈(長崎女高)が自らの県高校記録を塗り替える48メートル35で連覇した。男子ジュニアハンマー投げの本多武蔵(長崎日大高)も従来の大会記録を上回る58メートル42で制した。
 女子400メートルリレーは純心女高が大会記録まであと0秒04に迫る47秒15で競り勝ち、長崎日大高が47秒27で続いた。
 最終日は19日、同スタジアムで男女の200メートルなどがある。

◎遅咲きのスプリンター 「今季は10秒1台を」
 大会新の快走で、同年代のライバルたちを突き放した。6人が大学生となった男子100メートル決勝は、3年生の山崎(環太平洋大)が10秒38で初優勝。2020年に永田駿斗(当時住友電工)が樹立した大会記録を0秒02更新した。
 隣のレーンを走った200メートル県記録保持者の植松(中大)が「10メートル過ぎから置いて行かれた」と振り返るように、力強い加速で中間地点で早くも体一つリード。「前半の走りが良かったから、得意の後半はリラックスできた」と手応え十分でゴールを駆け抜けた。
 瓊浦高時代にインターハイ出場経験はなく、部員が300人以上いる環太平洋大で飛躍的に成長した。特にウエートトレーニングに力を入れて体重は高校時代から10キロ増。後半に伸びるパワフルな走りを実現させている。
 今季は特に好調で、3月の初戦で自己ベストを0秒1縮める10秒35をマーク。さらに今月11日の中国・四国学生対校選手権(インカレ)では追い風参考ながら10秒32で優勝した。県記録10秒31の更新も時間の問題だが、遅咲きのスプリンターは「今季は10秒1台を出して日本インカレで最低でも入賞、チャンスがあれば優勝したい」とさらに上の目標を掲げた。

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