【海外ITトピックス】 GoogleのAI検索「AI Overview」 コンテンツパブリッシャーからは懸念の声も

by 岡田陽子=Infostand

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Googleの開発者年次イベント「Google I/O」は予想通りAI一色となり、多くの発表があった。そのなかの1つが「AI Overview」だ。検索結果として、リンク先の情報を集約・編集してまとめた回答を生成する。これには、リンク先への誘導で成り立ってきたエコシステムに影響があるのではないか――。コンテンツパブリッシャーを中心に、そんな懸念が噴出している。

検索が「情報をまとめる作業を代行」

AI Overviewは、Googleの大規模言語モデル(LLM)である「Gemini」のカスタム版を組み込んだ検索サービスだ。検索ボックスにキーワードを入力してWebサイトのリストを表示する方式から、会話のように質問するとAIが回答を生成するという方式になる。

AI Overviewの紹介サイトでは、例えば、「布製のソファの掃除方法は?(7語)」の質問を入力すると、「掃除機」「部分洗い」などの項目が表示され、それぞれに20語から30語程度の回答文章が生成され、やり方が分かるようになっている。

さらに、先進的なサービスとして、「Google Lens」で、AIに画像を見せながら質問できる機能も用意される。

デモでは、レコードプレーヤーのアームが勝手に戻ってしまう様子をカメラに収め、「なぜ針がターンテーブルに落ちずに戻ってくるの?」と尋ねている。これに対してAI Overviewは、プレーヤーの機種を特定して、「レバーを降ろしながら、そっとヘッドを持ち上げる」から始め、バランスウェイトを調整するまでの対処方法を段階的に説明する。

デザインも変わる。AI Overviewの画面は、入力ボックスの下にデフォルトの「Original」、簡単な結果を表示する「Simpler」、詳細を表示する「Break it down」があり、ユーザーがニーズに合わせて選べるようになっている。

Google Search担当バイスプレジデントのLiz Reid氏は公式ブログで、「25年間、さまざまな技術の変遷があったが、われわれは常にGoogle検索を再構築して拡張してきた」と述べている。

そしてAI Overviewを使えば、時間がないときも「検索が必要な情報をまとめる作業を代行してくれる」とする。

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