ひき殺された子犬の飼い主が押し倒され負傷→後日病死、ドライバーに10%の責任判決で物議―中国

17日、頭条新聞は、運転する車ではねて死なせた子犬の飼い主が後日病気で死亡した事案で、ドライバーが10%責任を負い賠償を支払うよう命じる判決が言い渡されたと報じた。

2024年5月17日、頭条新聞は、運転する車ではねて死なせた子犬の飼い主が後日病気で死亡した事案で、ドライバーが10%責任を負い賠償を支払うよう命じる判決が言い渡されたと報じた。

記事によると、湖南省郴州市桂陽県で2022年3月4日、ミニバンを運転していた唐(タン)さんが道路にいた子犬に気づかずはねて死なせてしまった。事故当時現場にいなかった飼い主が現場に姿を見せ、賠償を請求するも唐さんはこれを拒んで車で立ち去ろうとして両者は口論に。そして、逃走を防ごうとした飼い主が唐さんから車の鍵を奪おうとしてぶつかったはずみで、唐さんは飼い主を押し倒して負傷させてしまった。

飼い主は唐さんによって病院に送られて入院し約1カ月の治療を受けた。その後退院したものの、同4月18日に死亡。同26日に公安機関が出した鑑別結果によると、60代だった飼い主は肝硬変や食道胃底静脈瘤を患っており、死因はこれらの疾患に伴う上部消化管出血による出血性ショックだった。しかし飼い主の遺族は唐さんに賠償を求めて両者は紛糾、遺族側が裁判所に提訴した。

同県人民法院は、飼い主について暴力を受けたことが直接的な原因で死亡した訳ではないとする一方で、唐さんの過失が飼い主の基礎疾患に伴う症状を誘発した可能性は排除できず、唐さんは10%の責任を負うことが妥当と判断。唐さんに対して入院医療費など飼い主に生じた損失約104万元(約2200万円)の10%に当たる約10万4000元(約220万円)を遺族側に賠償するよう命じる判決を言い渡した。

この事案と裁判所の判断結果はネットユーザーから注目を集め、微博のトレンドワードランキングで6位に入った。ネットユーザーからは「すべては犬をリードにつないでいなかったから起きたこと」「飼い主はまず愛犬をしっかりと管理しなければ。ちゃんと管理できてればこんな事故は起きなかったはずだ」「ドライバーは正当防衛だと思うが」「これはドライバーがかわいそう」「いや、本当にかわいそうなのは犬だろう」といった感想が寄せられた。(翻訳・編集/川尻)

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