崖崩れ遺族ら横浜市を提訴 地裁第1回弁論

 神奈川県横浜市緑区で2014年10月、台風で崖が崩れて男性が死亡した事故で、現場が危険な状態にならないよう適切な指導を行わなかったとして、遺族3人が市と同市都筑区の不動産・総合建設会社「ツヅキ企画」の女性役員に計1億3700万円の損害賠償を求める訴えを起こした。横浜地裁で23日に開かれた第1回口頭弁論で、被告側は請求棄却を求めた。

 訴えによると、役員は盛り土によって現場が宅地造成等規制法で定める基準に適合しない状態だったにもかかわらず、適切な措置を取らなかった。市も違法造成を確認しながら、11年を最後に何ら措置を取らなかった、としている。

 男性が住んでいたアパートの所有者も市に計約8100万円の損害賠償を求める訴えを起こし、併せて審理されることとなった。

 事故は緑区白山の斜面地で発生。台風18号による大雨で盛り土の崖が崩れ、崖下の2階建てアパートを直撃し、室内にいた男性会社員=当時(30)=が死亡した。県警は今年6月、同社の男性役員(72)を業務上過失致死容疑で書類送検している。

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