119番通報で5カ国語対応 茅ケ崎市、通訳サービス試行へ

 茅ケ崎市消防本部は10月から、119番通報に5カ国語対応の通訳サービスを試行実施する。外国人による通報が増え、正確な状況把握に支障を来すケースもあることから、導入に踏み切った。半年間で効果や課題を検証し、来年4月からの本格実施につなげる。

 24時間365日対応し、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語が対象。日本語でのコミュニケーションが苦手な外国人から119番通報があった場合、委託した通訳業者に接続し、通報者、消防、通訳オペレーターの3者同時通話に切り替える。

 現場に駆け付けた消防・救急隊員と外国人傷病者の会話が困難な場合でも、その場から携帯電話で通訳業者に連絡。ハンズフリー機能を使った3者会話で、病状や持病、かかりつけ病院などの必要な情報を把握することが可能になる。試行期間中の市の費用負担はなく、本格実施後は年間約38万円を通訳業者に支払う。

 市消防本部によると、外国人による通報件数は2014年が18件、15年が24件。これまでは外国人とのやりとりに、聞きたい情報を絵と文章で表記した多言語シートや定型音声ガイダンスを使っていたが、通話時間や現場での滞在時間が長くなるなどの課題があった。

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