禁煙啓発装置を製作 小田原城北工生徒

 神奈川県立小田原城北工業高校(小田原市栢山)の生徒有志が、工作物が連鎖運動して禁煙を訴えるからくり装置を完成させた。同市中里のダイナシティウエストで10月2日に開かれる「市ふれあい健康フェスティバル」でお披露目する。

 からくり装置製作は、禁煙啓発に取り組むグループ「あしがらタバコと健康を考える会」からの依頼。同会は昨年のフェスで自作したからくり装置をお披露目したが、うまく動かず失敗。今年は成功を目指して縁のあった同校に声を掛けた。

 同会が開発した装置は、糸巻きのボビンに似た、禁煙マーク付きの複数の筒状の工作物などが、板でつくった傾斜を上り下りするなどして連動する仕組み。幅約2・6メートル、高さ約1・6メートル、奥行き約0・8メートルと大がかりなもので、6月下旬に同校で装置を見たデザイン担当の大木さん(17)は「小型を想像していたので、スケールの大きさを感じた」と振り返る。

 製作には機械科の3年生5人と、デザイン科の2年生3人が参加。機械科の石倉一史総括教諭(49)らがサポート役に加わり、従来の装置を土台に改良を加える形で進めた。

 工作物や、連動する順番はほぼ同じ。工作物の強度や精度などを上げるため、筒状のパーツをプラスチック容器からスチール缶に変えるなどした。

 目玉は人と肺のイラストを装置の背面に設置したプラスチックパネル。うまくいけば工作物が連動し、最後は肺が真っ黒くなるように見える仕組みだ。

 大谷さん(16)は「最後にインパクトを持たせたい」。大木さんは「たばこによって、肺が黒くなるといったような怖さがリアルに伝われば」と強調した。

 フェスでのお披露目は午前11時から。

© 株式会社神奈川新聞社