合併の是非の判断材料提示へ 小田原市と南足柄市が協議会設置

 小田原、南足柄両市は21日、中心市のあり方を議論する任意協議会を設置した。約1年かけ、2市で合併した場合の新市の具体的な姿をとりまとめ、市民らに合併の是非を判断するための材料を提示する。同日には1回目の会合を小田原市役所で開き、合併などの検討方針案などを承認した。

 任意協は来年8月までの約1年をかけ、(1)合併(2)中核市への移行(3)周辺自治体との新たな広域連携体制−について検討する。

 (1)は、2市が合併した場合を想定し、3千を超えるすべての事務事業について、行財政改革や一体性の確保、負担の公平などの観点を重視して調整。人口や面積などの規模に見合った事務事業となるよう、同規模自治体の状況も調べる。

 また、合併後から10年間の新市の将来ビジョンとなるまちづくり計画を策定。市民の意見を参考にするため、2市の市民を対象としたワークショップ形式の市民懇話会を5回開く。終盤には、法定協議会を設置する場合の組織のあり方や時期についても議論する。

 (2)は、合併後の新市が中核市に移行した場合の財政負担や市民生活への影響などについて、(3)は新市と周辺自治体との新たな広域連携体制について、それぞれ協議する。

 任意協の委員には2市の行政や議会、自治会、福祉関係などから33人が就任した。会長に就いた加藤憲一・小田原市長は「人口減少に伴う地域活力の低下が懸念される中でも、両市民が安心して暮らせるよう、最善の対策を見いだすという強い決意を持って臨みたい」とあいさつ。副会長の加藤修平・南足柄市長は「任意協のテーマは、安定的な行政サービスが提供できる体制を実現すること」と説明。「予断を持つことなく、さまざまな観点から客観的で合理的な議論を尽くしてほしい」とも述べ、合併ありきの議論にならないようくぎを刺した。

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