生後4カ月の男児死亡事件で保育士を逮捕 平塚、傷害致死の疑い

 平塚市宮の前の無認可保育所で昨年12月、生後4カ月の男児に暴行を加えて死亡させたとして、県警捜査1課と平塚署は21日、傷害致死の疑いで、元職員の保育士の容疑者(34)=横浜市戸塚区原宿4丁目=を逮捕した。県警はまた、証拠隠滅の疑いで、保育所の経営者の容疑者(49)=平塚市御殿1丁目=を逮捕した。県警は同日、同署に24人体制の捜査本部を設置。今後、犯行の方法や動機の解明などを進める。

 保育士の容疑者の逮捕容疑は、同月6日、保育所内で男児=同市南原3丁目=に暴行を加え、脳挫滅で死亡させた、としている。経営者の容疑者の逮捕容疑は、同月14〜18日、事件に関連して保育所内のパソコンを調べる必要があるのに損壊し、証拠を隠滅した、としている。

 捜査関係者によると、経営者の容疑者は水をかけてパソコンを壊したとみられる。

 捜査本部によると、保育士の容疑者は「やっていません」、経営者の容疑者は「事実はない。違う」と供述、いずれも容疑を否認している。

 捜査本部によると、男児は同月6日午前0時ごろ、母親の知人女性が保育所に預け、ベビーベッドに寝かされていた。同4時半ごろに保育士の容疑者が「息をしていない」と異変に気付き、119番通報。同10時ごろ、搬送先の病院で死亡が確認された。母親は男児を預ける前に変わった様子はなく、病気などの異常もなかったと話していた。

 男児に目立った外傷はなかったが、司法解剖の結果、頭の骨が折れていた。県警は外部から頭に強い衝撃を受けたとみて関係者から事情を聞くとともに、保育所内のカメラ映像を分析するなどして捜査。その結果、複数の脳の専門医による鑑定などから、預けられた後に暴行を受けた疑いが強まった。

 男児が預けられた際、保育士は当時、保育士の容疑者1人だった。

 捜査関係者によると、防犯カメラには、保育士の容疑者が男児を抱えて画面からいったん消え、その後戻ってくる様子が映っていた。保育士の容疑者は事件直後の県警の事情聴取に対し、「(男児の死亡に)心当たりはない」と話していた。

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