創立50周年で式典 神奈川県重症心身障害児(者)を守る会

 県内の障害者や家族らでつくる県重症心身障害児(者)を守る会は21日、横浜市社会福祉センター(同市中区)で創立50周年式典を開催。伊藤光子会長(74)は相模原の障害者殺傷事件に触れ、「社会の中で障害者が懸命に生きていることを伝え続ける」と訴え、悲しみを乗り越えていくことを誓った。

 式典には県内の障害者施設や特別支援学校職員ら約230人が出席し、事件で犠牲になった19人に黙とうした。伊藤会長はあいさつで、容疑者が抱いている「重度障害者がいない方が、世の中が明るくなる」などとする偏見に、「恐ろしさで体が震えた」と指摘。「失われた尊い命に報いるために、重い障害がある人が地域で普通に生きていける社会を目指す」とし、障害の有無にかかわらず互いを理解し合える活動の強化を誓った。

 「幸せへの近道」と題した講演では、川崎市の障害者施設長江川文誠さんら県内の施設関係者が登壇。江川さんが「凄惨(せいさん)な事件が起きた今こそ、障害者と一緒に生きていて幸せだと伝えることが必要」と訴えると、会場から拍手が起こった。

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