横須賀鎮守府司令長官の官舎公開 日本遺産ウイーク

 旧軍港4市(神奈川県横須賀、広島県呉、長崎県佐世保、京都府舞鶴)の日本遺産認定を記念した構成文化財の見学会「日本遺産ウイーク」が22日、4市で始まった。横須賀市では、旧海軍の横須賀鎮守府司令長官の官舎として使われた海上自衛隊の横須賀地方総監部田戸台分庁舎(同市田戸台)が一般公開され、大勢の来場者でにぎわった。分庁舎の公開は23日までで入場無料。

 分庁舎は1913(大正2)年に建てられた洋風館と和風館の接続住宅で、のちの首相となる岡田啓介や米内光政、駐米大使を務めた野村吉三郎ら34代にわたる歴代長官が居住した。戦後は米軍に接収されたが69年に返還され、現在は海自が管理する。

 日本遺産の認定に当たり、16件ある横須賀の構成文化財に含まれたことから、花見時以外では珍しい一般公開が実現。来場者はガイドの説明に耳を傾けながら、ステンドグラスを使った瀟洒(しょうしゃ)なイギリス住宅や長官用の防空壕(ごう)跡、見晴台からの東京湾の眺望などを楽しんでいた。

 横浜市金沢区の税理士の男性(70)は「景色のいい高台にあるので気に入っている。日本遺産認定をきっかけに、多くの人に知ってもらうのはいいことだと思う」と話していた。

 一般公開は午前10時〜午後3時。京急線県立大学駅から徒歩10分。

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