秋の大磯と陶芸品を満喫 31会場で展示・販売

◆「大磯うつわの日」 23日まで 神奈川県大磯町内31会場で陶芸・ガラスなどの器をテーマにした芸術作品や展示販売を楽しめる「大磯うつわの日」が23日まで開催されている。町内外から多くの人が訪れ、各会場を巡る“秋の大磯散策”を満喫している。

 ことしで6回目を数え、旧島崎藤村邸や大磯迎賓館に加え、新たに澤田美喜記念館など9会場が名を連ねた。古民家を利用した展示や軒先での販売もあり、お目当ての会場を探しながら街を歩く姿が随所で見られた。

 300年以上の歴史を有する鴫立庵(同町大磯)では、現代美術作家で町内在住の石塚沙矢香さん(36)が、米粒で装飾した器と船を天井からつるし、米に関する俳句を投影した芸術作品を展示している。石塚さんは「昔から主食だったお米が命を紡ぎ、器は食べ物を人間に運んできた。連綿とつながる命と日本の原風景を感じる空間になれば」と話していた。

 作家仲間6人と出品した小田原市の寺本るみさんは「陶器や磁器、オブジェなどを通じてさまざまな秋を表現してみたかった」と説明し、手作りのぬくもりが伝わるマグカップやお皿を来場者に紹介していた。

 友人らと午前中だけで3会場を巡ったという平塚市の小川紀子さんは、ことし初参加。「古くきれいな家が好きなので、大磯の散策は楽しい。器をテーマに巡るのも面白い」と話し、展示作品を興味深く眺めていた。

 会場ごとに開催時間が異なる。問い合わせは、同実行委の佐藤さん電話090(4068)0271。

© 株式会社神奈川新聞社