朝食の大切さを伝えようと、横浜を代表する和洋中のシェフたちがつくるNPO法人「横浜ガストロノミ協議会」(今平茂理事長)が立ち上がった。横浜市内のレストランが手軽でおいしい朝食の料理教室を展開。簡単に作れるレシピをシェフたちが伝授することで、朝食欠食率の改善を目指していく。
市健康福祉局が展開する「よこはま朝食キャンペーン」に協力するもので、教室は11月末まで、「イオスガーデン」(同市都筑区)「横浜元町 霧笛楼」(同市中区)など9店舗で計11回開かれている。
「浜懐石 つねとら」(同市保土ケ谷区)で12日に開かれた教室には主婦や学生ら12人の女性が参加。京都で修業した店主近藤恒夫さん(66)から「秋の根菜酢漬(すづけ)」の作り方を学んだ。
香辛料にピクルスの素を入れる一工夫で、ご飯だけでなくパンにも合うと教わった横浜市立大4年の小澤聡子さん(22)は「意外と簡単。3週間ほど保存できるので、クリスマスや正月に向けて作ってみたい」。近藤さんは「それぞれの素材が持つ味を引き出すことが大切。食べるたびに豊かな気分になってほしい」と話した。
シェフたちが監修した各店舗のレシピは、レシピ検索サイト「クックパッド」でも紹介。朝食メニューを販売・提供するレストランやホテルもある。
同局によると、朝食をほとんど取らない人は毎日取る人に比べて脳出血を起こしやすいという国立がん研究センターの調査報告があるという。
食育に関する2014年度の市の調査では、朝食欠食率は13・9%。特に若者世代が高く、20代女性は36・0%だった。同局の担当者は「朝食を取ることで朝型の健康的な生活リズムにリセットでき、生活習慣病の予防にもつながる。20年度までに若者世代の朝食欠食率を15%以下に低下させたい」と話す。
詳細は、市のウェブサイト「よこはま食育ウェブ」。問い合わせは、同局保健事業課電話045(671)4042。