活性化策住民が提案 観光・産業拠点3区域に 愛川

 神奈川県愛川町の半原と田代の住民らでつくる「愛川地区まちづくり協議会」(小島信男会長)のメンバーが24日、同町役場を訪れ、小野澤豊町長に地域活性化に向けた提案書を提出した。地区内三つのエリアで観光・産業振興の必要性を提案する一方、具体的な方策の提示は見送った。町は提案内容を精査して横須賀水道半原水源地跡などを活用した観光拠点構想の策定に生かすという。

 協議会は今年5月、自治会組織に相当する半原と田代の六つの行政区、半原水源地を守る会、半原小学校旧木造校舎を保存する会、相愛信用組合などが参加して設立。住民アンケートを実施、9月に意見交換会を開催して今回の提案をまとめた。

 提案では基本方針として「地元の観光・産業連携拠点づくり構想の策定にあたり宮ケ瀬ダム、塩川滝、県央愛川農業協同組合半原支所の3エリアを拠点に設定。来訪者を明確にした上で自立運営が可能な利活用方策を検討する」などとした。

 加えて「若者から高齢者まで多世代の交流が創出され、次世代に引き継げる場の利活用」「人口減少の抑制を図るとともに交流人口の増加につなげる」「歴史・文化・自然環境など地域資源を活(い)かす」など11の項目を提案した。

 小島会長は「検討時間が短く、アンケートで若年層の意見が少なかったことから結論付けせずに方向性をまとめた。今回の提案はスタートで住民との合意形成の場を設けて、納得できる構想を策定してほしい」などと要望した。

 小野澤町長は「年度末の構想案策定に向けて市場調査などを実施しているが、町の考えと基本方針はほぼ一致している。住民の熱意に感謝している」とあいさつした。

 同水源地は、旧海軍が1912年に着工した近代遺構で広さ約4万8千平方メートル。横須賀市が2015年2月に廃止して跡地売却について町と協議中。町は本年度から周辺を対象にした新たな観光拠点構想の策定に乗り出している。

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