市民つなぐ“掲示板” 逗子で地域限定アプリ

 市民同士で生活情報を共有したり、物を貸し借りしたりできる地域限定のアプリ「SOY LINK(ソイリンク)」の活用が逗子市内で始まった。主にスマートフォンを活用した市民の“掲示板”の役割を担い、コミュニティーの活性化につながると期待される。実証実験としての位置付けで、市の市民交流センターが市民モニターを募集している。

 ソイリンクはパナソニックなど4社が提供するSNS(会員制交流サイト)。県内では藤沢市や鎌倉市などで実証実験が行われている。逗子市では今月から実証実験が始まり、来年1月からの本格運用を予定している。

 対象は18歳以上の市内在住・在勤者。なりすましを防ぎ、安心して利用できるよう登録には顔写真入りの身分証明書が必要となる。

 会員は無償で教えられるスキルや譲ったり貸したりできるものを登録し、必要とする会員とマッチングする仕組みだ。個人だけなく市民団体やサークルなども登録でき、会員間でメッセージのやり取りもできる。今後は地元商店なども登録し、お得な情報の発信なども想定している。

 ご近所同士でしょうゆを貸し借りしていた昔ながらのコミュニティーのあり方にちなんで命名。パナソニックの山口智幸コンサルティング部長は「ITを活用し、人と人の助け合いの輪を広げたい」と話す。

 将来的に認知症患者の見守りにも活用することを想定し、11月5日に同センターで行方不明者を捜すシミュレーションイベントを開催。ソイリンクでメッセージを流して館内を捜索し、使い方や活用方法について意見を交わす。

 募集するモニターは50人程度で、意見交換会への出席やモニター専用ページの利用ができる。問い合わせは、同センター電話046(872)3001。

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