絶滅危惧種大切に 愛川町で30日、カワラノギク鑑賞会

 愛川町のNPO法人「愛・ふるさと」(小倉大典理事長)が地元の中津川で保護しているキク科の多年草「カワラノギク」の恒例の鑑賞会が30日、現地で開催される。

 カワラノギクは関東地方の在来種だが、ダム建設などによる河川敷の樹林化や外来種の侵入で激減、絶滅危惧種に指定されている。今年は開花が1週間程度遅れており、満開は来月上旬ごろ。

 同町田代の河川敷に圃(ほ)場(じょう)を整備した保護活動は11年目に入った。ただ今シーズンは全体的に成長不良で、県厚木土木事務所が今年2月に設けた人工池(ワンド)付近に新たに植えたカワラノギクの生育は比較的順調という。

 小倉理事長は「成長の悪化は今回が初めて。シカの食害に加え、宮ケ瀬ダムにより養分の高い土砂の供給が途絶え、出水が河原の植物や土砂を押し流すかく乱作用もなくなった生息環境に限界があるのか、原因は分からない。圃場の場所を変更するなど来年は対策を考えたい」と話している。

 鑑賞会は午前11時〜午後1時まで。活動紹介のほか、オカリナ演奏などのイベントも行われる。問い合わせは浜さん電話080(9578)3305。

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