〈時代の正体〉ツイッター社にも削除要請 在日コリアン女性への投稿で法務局

【時代の正体取材班=石橋 学】横浜地方法務局は7日、短文投稿サイト「ツイッター」に書き込まれた在日コリアン3世の女性に関する投稿が人格権を侵害する違法行為に当たると認定し、運営会社の米ツイッター社に削除を要請した。この女性に対するインターネット上の書き込みについて同局が削除を求めるのはブログを運営するサイバーエージェント、動画投稿サイト「ユーチューブ」を管理するグーグル社に続き3社目。公的な人権擁護機関による判断は重く、同社は被害者救済と被害拡大防止のため迅速な対応が求められている。  差別ツイートにより人権を侵害されているとして救済を求めていたのは川崎市川崎区の崔(チェ)江以子(カンイヂャ)さん(43)。在日コリアンへの差別をあおるヘイトデモに抗議し、被害を名乗り出た3月から「嫌なら即刻出てけ」「何様のつもりだ」といった個人攻撃をインターネット上の書き込みで受けるようになっていた。

 このうち悪質なものを申告し、12件が人権侵害と認定された。偏見、差別意識に基づく誹謗(ひぼう)中傷から、差別用語を使って「日本からチ・ョ・ンを叩(たた)き出せ!!」と排斥をあおるもの、「被害者顔するなゴキブリ」「頼むから居なくなって〜なめくじみたいに塩かけたらいなくなるかな!?」と人間の尊厳を踏みにじるものまである。

 これらがヘイトスピーチ解消法が定める不当な差別的言動に当たり、放置により被害が拡大しているとし、崔さんは迅速かつ積極的な対応を求めていた。

 同局はすでに、やはり抗議活動をきっかけに標的にされた中学2年生の長男(14)についてのツイート4件の削除を要請。ツイッターの利用ルールでは脅迫や嫌がらせ、特定の人種などへのヘイト行為を禁止しているが、同社は1カ月以上要請に応じていない。

 同様に差別書き込みのあったアメーバブログを運営するサイバーエージェントは同局の要請に応じて2本の記事を即日削除しており、プロバイダーによって対応の差が出ている。

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