ポケモンGOで大盛況 苦情も殺到 横浜・MM21公式イベント

 横浜・みなとみらい21(MM21)地区周辺で開催されたイベント「ピカチュウ大量発生チュウ!」が15日、盛況のまま幕を閉じた。スマートフォン向けの人気ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の企画が期間中に合わせて実施されたこともあり、県内外から大勢の親子連れらが訪れた。一方で、横浜市や県警には「歩きスマホが迷惑」「渋滞で車が動けない」といった苦情が相次ぎ、運営に課題を残した。

 ポケットモンスターの人気キャラクター「ピカチュウ」が各所に現れるイベントは、市と株式会社ポケモンの共催で9日から15日まで行われた。4回目の今回は、ピカチュウ100匹によるパレードをはじめ、キャラクターをあしらった飛行船や船が登場し、ポケモン一色に街が染まった。

 中でも誘客の目玉になったのは、ポケモンGOの関連イベント。国内では手に入らない希少キャラクターが赤レンガパークなど2カ所に出現する企画のほか、横浜スタジアムではゲームを楽しむ催しなどがあり、全国から多くの愛好者が押し寄せた。市の担当者は「179万人が来場した昨年よりも人が多い。見込んでいた230万人には達しているのでは」と話す。

 盛況を博した一方で、市や県警には歩きスマホや道路混雑への苦情が130件以上寄せられた。

 イベント期間中、MM21地区周辺の歩道では立ち止まったり、歩いたりしながらゲームに興じる人が続出。戸部署によると、3連休最終日の13日には、50代の男性会社員がポケモンGOで遊んでいると思い込み、前を歩く男性を蹴飛ばすトラブルが起きた。会社員は「邪魔でいらいらした」と話したという。

 また、MM21地区を中心に渋滞が発生。路上駐車も散見され、迷子を捜すためのパトカーが動けずに警察官が徒歩で捜索するケースがあった。市によると、15日に最大約2時間の遅れが生じた市営バスは、急きょ職員をバス停2カ所に配置するなど利用客への対応に当たった。市はイベントの影響とみている。

 主催者側によると、昨年の倍以上となる約3千人の警備スタッフを動員。歩きスマホや路上駐車の禁止を呼び掛けたが、市の担当者は「最後はマナーに頼らざるを得ないのが実情。イベントのプラス面もマイナス面も考慮して、今後の対策につなげたい」と話した。

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