鷹・東浜&楽天・塩見が投げ合うパCSファイナルS第1戦 両球団のキーマンは?

14日から行われた埼玉西武と楽天のファーストステージは、初戦に大敗して崖っぷちに追い込まれた楽天が、劇的な連勝で埼玉西武を下し、福岡ソフトバンクへの挑戦権を手にした。

楽天・梨田監督(左)、ソフトバンク・工藤監督(右)【写真:荒川祐史】

18日に開幕するパCSファイナルステージ、勝つのはホークスか楽天か―

 18日から幕を開ける「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ(CS)パ」ファイナルステージ。14日から行われた埼玉西武と楽天のファーストステージは、初戦に大敗して崖っぷちに追い込まれた楽天が、劇的な連勝で埼玉西武を下し、福岡ソフトバンクへの挑戦権を手にした。

 ここでは18日の予告先発や両チームの対戦成績などをもとに、福岡ソフトバンクと楽天が激突するファイナルステージ初戦の試合展開を占う。

【過去5年の公式戦対戦成績】 
2013年福岡ソフトバンク:12勝 楽天:12勝
2014年福岡ソフトバンク:12勝 楽天:12勝
2015年福岡ソフトバンク:16勝 楽天:8勝1分
2016年福岡ソフトバンク:16勝 楽天:8勝1分
2017年福岡ソフトバンク:13勝 楽天:12勝

 2015年からの2年間は福岡ソフトバンクが8つの勝ち越しを果たすも、その他の年は五分。今季は福岡ソフトバンクが1つ勝ち越しているが、楽天以外のパ・リーグの4球団は全て、福岡ソフトバンクに7つ以上負け越している。楽天は史上最速でパ・リーグを制した福岡ソフトバンクと、唯一互角に渡り合ったチームだと言える。

【今季レギュラーシーズンの対戦成績詳細】
〇福岡ソフトバンク
25試合13勝12敗 80得点 91失点 打率.232 防御率3.35
ヤフオクドーム楽天戦
13試合6勝7敗 打率.202 防御率3.67

〇楽天
25試合12勝13敗 91得点 80失点 打率.221 防御率2.98
ヤフオクドーム福岡ソフトバンク線
13試合7勝6敗 打率.229 防御率1.95

 ホームで52勝20敗と圧倒的な強さを誇った福岡ソフトバンクだが、ヤフオクドームでは楽天が勝ち越し。楽天投手陣の防御率1.95は恐るべき数字である。しかしそれだけの成績を残しながら、勝ち越しはわずか1つ。シーズンの首位攻防戦で楽天は、福岡ソフトバンクとの投手戦にことごとく敗れている。楽天野手陣の奮起と福岡ソフトバンク投手陣の調子の良し悪しが、ファイナルステージの勝敗を左右するだろう。

東浜、塩見の両投手が先発、データで見るキーマンは?

【10月18日の予告先発 今季のレギュラーシーズンの対戦成績】
〇福岡ソフトバンク:東浜投手
対楽天 5試合3勝2敗 32回2/3、7失点、防御率1.93
〇楽天:塩見投手
対福岡ソフトバンク 1試合1勝0敗 5回1/3、1失点、防御率1.69

 塩見はデータが少ないが、両投手ともに相手チームとは相性がいい。東浜は今季、離脱者が続出したチームの投手陣を救い、最多勝に輝く活躍を見せた。リーグ優勝を決めた試合でも、気負うことなくさすがの快投を披露。対戦機会の多かった東浜を、楽天野手陣が攻略できるかどうかが大きな鍵を握る。

 塩見は、9月23日の試合では福岡ソフトバンク打線に付け入る隙を与えない好投で、自身3勝目を挙げている。今季は腰痛などに苦しめられ貯金を作ることはできなかったが、勝ちが付かなかった試合や、自身の最終戦となった9月30日の千葉ロッテ戦でも、確かに存在感を見せ付けてきた。大事な初戦、王者・福岡ソフトバンクに食らい付いていきたい。

【対東浜のキーマン】
・ウィーラー:13打数5安打2本塁打 打率.385
・島内:12打数4安打 打率.333

【対塩見のキーマン】
・今宮:3打数2安打 打率.667

 東浜に相性がいい楽天の打者はウィーラー。5安打2本塁打というのは福岡ソフトバンクにとっては大きな脅威だ。ウィーラーは埼玉西武とのファーストステージ第3戦でも、勝負を決める追撃弾を放っている。福岡ソフトバンク投手陣は、「お祭り男」たちをこれ以上乗せないように細心の注意を払わなければならない。

 対戦機会が少ないため、明らかに塩見と相性のいい福岡ソフトバンクの打者を挙げることはできないが、今宮が3打数2安打。球界屈指の遊撃守備に加え、小技も長打力も備える今宮は、あらゆる意味で要注意だ。ロースコアのゲームが予想されるだけに、勝負を決する「一発」に警戒したい。

 クライマックスシリーズファーストステージでは、「パ・リーグのクライマックスシリーズは、初戦をものにしたチームが次のステージに進出している」というこれまでのデータを、初めて楽天が覆した。シーズン中、福岡ソフトバンクとは熾烈な優勝争いを繰り広げたこともあって、このファイナルステージに懸ける思いは強いことだろう。1勝のアドバンテージは大きいが、ファーストステージで手にした勢いのまま、大番狂わせを演じたい。

 一方の福岡ソフトバンクは、休養十分で楽天を迎え撃つ。シーズン中は最も苦戦した相手が勝ち上がってきたため決して油断はできないが、ホームの声援も味方につけて、リーグ覇者の貫禄を見せ付けたい。今後の展開を占う意味でも大事な初戦。緊迫した試合を制するのはどちらになるか、大きな注目が集まる。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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