【MLB】ダル獲得候補6球団、相応しいのは…カブスなら「サイ・ヤング級の活躍も」

去就に注目が集まるダルビッシュ有【写真:Getty Images】

米メディアが“相性診断”、ダルビッシュはカーショーらスーパーエース級の「次点グループ」!?

 今オフのFA市場でNO1評価を受けるダルビッシュ有投手の去就問題が加熱してきた。米記者がレンジャーズ、ヤンキース、カブス、アストロズ、ツインズが候補に残っているとつぶやくと、ダルビッシュ自身が「もう1球団加わっている」とツイート。その後、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」の記者が、昨シーズン途中から在籍したドジャースが最後の1球団であると報じた。

 さらに、ESPNラジオで番組ホストを務めるマイケル・ケイ氏が「ヤンキースはダルビッシュに7年1億6000万ドル(約177億6500万円)のオファーを出したが、48時間以内に受諾の返答をしなかったので撤回した」と伝えると、ダルビッシュがいったんはオファーはまだないとツイッターで否定。しかしすぐ後に、実際にオファーはあったものの、金額が正しくないということだったと、自身のツイートを訂正した。

 米スポーツサイト「スポーツ・オン・アース」は、「最後の1球団」をドジャースと仮定した上で、6チームのうちどこに最もフィットするかを分析する記事を掲載。その中で、まずは、ダルビッシュの能力の高さに太鼓判を推している。

 右肘負傷の影響を受けなかった2012、13、17年の3年間で、右腕がシーズン平均196イニングを投げ、236奪三振、76四球、防御率3.51、WHIP(1イニングあたりの四球+安打)1.17、対戦打者の29.2%から奪三振を奪っているというデータを紹介。さらに「こういった数字よりも、実際のダルビッシュは優れている。この防御率はMLB登板の半分が打者有利のレンジャーズ本拠地ということで、その影響を受けている」とも付け加えている。

ヤンキース&ドジャースは「可能性は高くない」

 一方で、8月に32歳となり、首痛や背中痛で毎シーズン、先発登板を回避することがあると、ネガティブな材料にも言及。「ポストシーズンでの防御率5.81という結果は目を背けたくなるものだ」ともしている。特に、昨年のワールドシリーズでの2試合連続炎上は記憶に新しいところだが、記事では「ダイヤモンドバックスとカブス相手では11回2/3で2点しか許さず、14奪三振を記録している。また、2012年のワイルドカードゲームでは、クオリティースタート(6回以上を投げて自責3以下)で7奪三振、無四球だ」と擁護。そして、「ダルビッシュに巨額の契約を提示することをためらっている球団にとって、彼のポストシーズンでの成績をためらいの理由にするべきではない」と“進言”している。

 では、最もフィットする球団はどこなのか。記事では「ダルビッシュはカーショーやシャーザー、クルーバーといったサイヤング賞レベルの投手たちほど圧倒的ではないが、グリンキー、レスター、ストラスバーグといった次点グループに所属している」と評価した上で、6球団との相性を“診断”している。

 まずは、ドジャース、ヤンキースという東西の名門を「同じような状況にある」と、まとめて分析。ともにエースやそこに続く存在がおり、期待の若手もいて、贅沢税を回避したいという点でも似ているという。選手の総年俸を抑えるという意味では、トレードで不良債権化している“大物“の放出が必要となるものの、「ダルビッシュの存在で世界一に近づくと考えれば、ぜいたく税のペナルティを受ける価値があると両チームは考えるかもしれない」とも推測。ただ、結論としては「ローテーションの厚みや年俸総額の余裕を考慮すれば、この2球団がダルビッシュを獲得する可能性は高くはないだろう」と締めくくっている。

 一方、古巣のレンジャーズについては、やはり高額な年俸がネックになると指摘。アストロズ、エンゼルスといった同地区のライバルには、ダルビッシュを獲得できても厳しい戦いになると予想している。レンジャーズは、ロイヤルズからFAとなったロレンゾ・ケインの獲得にも動いていると伝えられており、両者を獲得する余裕はない状況だという。

アストロズ移籍なら2年連続世界一へ超豪華ローテ完成

 昨季世界一に輝いたアストロズは、トレードでの先発投手補強が現実的だと、記事では分析。一方で、現在のローテーション投手が2人、来オフにFAとなることから、「投資を正当化することは可能」だともしている。その上で「ダルビッシュ、バーランダー、カイケルと続くローテーションなら、2018年もワールドシリーズ制覇の有力候補となるだろう」と豪華ローテの誕生に期待を寄せている。

 また、ツインズについては「ここで挙げられている球団の中で、ツインズほどダルビッシュを欲している球団はない」との書き出し。ドジャー、マウアーという主力打者2人が契約最終年を迎えるため、「勝負をかける時は今だ」とダルビッシュ獲得を強く推している。現時点で、昨季開幕時よりも選手総年俸が低いことから、高額オファーを出す余裕もあるという。

 そして、最後に登場するのが一昨年の世界一球団カブス。ダルビッシュを獲得し、先発5番手のモンゴメリーをブルペンに回せば、「飛躍的な向上になる」と記事では分析。ブルペンの強化にもつながる“一石二鳥“の策だとしている。さらに、打線と守備に優れたカブス野手陣の助けを得て、ダルビッシュはサイヤング級の活躍をすることもあるだろうと予想。ダルビッシュを加えることで「再び球界最高のチームになる」と結論づけている。

 古巣レンジャーズ以外の5球団は、すべて昨シーズンのポストシーズンに進出した強豪。今季、世界一を狙うチームだ。争奪戦の決着はいつになるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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