衝撃の1文字「ダ」も… 一風変わったソフトバンクの歴代スローガン

スローガンを発表したソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

「連覇というよりも、イチからやっていこうという思い」で「もう1頂!」に決定

 12球団のシーズンの目標や、カラーを表すスローガン。各球団が、球団としてのメッセージを込めつつ、ファンへの定着を目指して工夫を凝らし、世に発信していくものである。

 新たな年を迎えた2018年。1月13日には、昨季日本一に輝いたソフトバンクが新スローガンを発表した。日本一となった2017年は「1ダホー!」の「1」のみを踏襲し、2018年は「連覇というよりも、イチからやって行こうという思い。しっかり足元を見て、1つ1つ積み重ねていこう、積み上げていこうという思い」という工藤公康監督の思いが込められた「もう1頂!」がスローガンに決まった。

 例年は複数の候補が出され、監督、孫正義オーナーの意向を聞いて決定に至るが、今回はヒアリングの段階で工藤監督が発案し「ほぼ独断」で決まるほど、指揮官の思いが色濃く反映されたものとなった。

 2011年の「ダ」や、2015年の「熱男」など、ちょっと変わったスローガンを掲げることの多いソフトバンク。ここではソフトバンクホークスとなった2005年からの歴代スローガンを見て行こう。

球団が誕生した2005年から4年間は一貫して「めざせ世界一!」だった

○めざせ世界一!
2005年(王貞治監督、優勝)
2006年(王貞治監督、3位)
2007年(王貞治監督、3位)
2008年(王貞治監督、6位)
 ソフトバンクホークスが発足し、王貞治監督がチームを率いた2005年から2008年は一貫して「めざせ世界一!」だった。2004年オフにダイエーからソフトバンクが球団を買収した時から、孫正義オーナーはメジャーリーグとも戦える「世界一」の球団となることを目標に掲げており、それをそのままスローガンとした。

○フリキレ!!全員、全開、前進ホークス。
2009年(秋山幸二監督、3位)
 ソフトバンクホークス発足後初めて「めざせ世界一!」と異なるスローガンとなった。「フリキレ!!」にはバットや腕を渾身の力で振り切るという意味だけでなく、目の前の勝負に全力で立ち向かう気持ちが込められた。4年間スローガンとなっていた「めざせ世界一!」は不偏不易の「球団理念」として掲げていくことになった。

○今年はやらんといかんばい!
2010年(秋山幸二監督、優勝)
 前年はリーグ3位に終わったこともあり、ファンと選手が一丸となって突き進もうとする決意が込められたスローガンとなった。リーグ優勝、日本一を達成するために、個々の選手が「やらんといかん」ことを追求し、全力でプレーすることを表した言葉だった。リーグ優勝を果たしたが、クライマックスシリーズでロッテに不覚を取り日本一は逃した。

○ダ
2011年(秋山幸二監督、日本一)
 2年連続リーグ優勝と悲願の日本一に挑んだ2011年は、たった1文字という衝撃のスローガンとなった。「ダ」には決意、断定、強い意思を表し、さらに団結の「ダ」という意味も込められた。前年に逃した日本一へと挑み、見事に8年ぶりの日本一に輝いた。

○VV(ブイブイ)
2012年(秋山幸二監督、3位)
 2011年に達成したリーグ連覇、2012年に目指す2年連続の日本一を意味して「VV(ブイブイ)」をスローガンとした。さらには突き進んでいく意味合いである「ブイブイいこう」との意味も込められたが、結果はリーグ3位に終わった。

「熱男」を継続し、「熱男2016」とした2016年は大逆転でのV逸

○超!ガツガツ行こう!
2013年(秋山幸二監督、4位)
 日本一奪還を目指した2013年。選手、ファン、球団、それぞれが自分を超え、限界を超え、挑戦者であり続けなくてはならないという理念を込め、このスローガンとなった。だが、シーズンは5年ぶりのBクラスとなる4位に終わった。

○俺がやる。
2014年(秋山幸二監督、日本一)
 2年連続で優勝を逃し、頂点の奪還を期した2014年。1人1人が責任感を持って準備し、何事にも意欲的に取り組む必死さが不可欠であり、困難を真正面から受け止めて自分自身で突き破る逞しさを持つという意味を込めたスローガンとなった。結果、日本一の奪還に成功した。

○熱男(アツオ)
2015年(工藤公康監督、日本一)
 秋山監督の退任により、工藤監督が就任した2015年。2年連続日本一を目指し、どんな時も決してあきらめず、前向きに、情熱的に突き進む姿勢を示して「熱男」となった。松田宣浩がホームラン後のパフォーマンスとするなどファンにも浸透し、チームも2年連続日本一になった。

○熱男2016
2016年(工藤公康監督、2位)
 2年連続日本一を達成した前年度を踏襲し「熱男」に若干手を加えた「熱男2016」がスローガンとなった。選考過程では数々の候補が上がったものの、「熱男」以上にしっくりと来るものがなく、継続することに。シーズンは日本ハムに大逆転での優勝を許してV逸。クライマックスシリーズでも日本ハムに敗れ、3年連続日本一はならなかった。

○1(ワン)ダホー!
2017年(工藤公康監督、日本一)
 日本一奪還に挑んだ2017年。「1番」「日本一」「一致団結」「一丸」「一生懸命」などの意味から「1」を取り入れ、2017年が「ワンダフル」な「ホークス」になるようにという思いが込められ「1(ワン)ダホー!」に決まった。前年までの「熱男」に続くキャッチーなフレーズで、ファンにもしっかりと浸透、定着した。

(Full-Count編集部)

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