杉内、永川…昨年1軍出場ゼロ、再起目指す“オーバー30”のベテランたち

ヤクルト・川端慎吾【写真:編集部】

杉内も永川も昨季1軍出場ゼロ

 今季所属球団が決まっている選手の中で、2017年シーズン、1軍出場が1度もなかった30歳オーバーの選手。普通なら戦力外通告を言い渡されてもおかしくはない境遇の選手もいる。最後に一花咲かせてほしいと願うのは球団、そしてファンに共通した願いだ。

 今季こそダメなら引退の2文字もちらついてくる選手、負傷から復活かける選手……。一時代を築いた選手がフェードアウトしていくのか、それとも土俵際で踏ん張るのか。主な選手に注目してみた。

〇巨人・杉内俊哉投手
37歳。NPB通算(16年)316試合142勝77敗 防御率2.95
 2005年にMVP、沢村賞を受賞するなど球界を代表する左腕も、股関節手術の影響でここ2年は1軍登板ゼロ。昨季はファーム含めて公式戦の登板機会はなかった。節目の150勝まであと8勝。復活の時を誰もが待っている。

〇広島・永川勝浩投手
37歳。NPB通算(15年) 504試合36勝42敗165セーブ74ホールド 防御率3.42
 2006年から4年間で132セーブをあげた鯉の元守護神。通算165セーブは堂々の球団セーブ記録だが、昨季はついに1軍登板が一度もなかった。肘の位置を下げるなど試行錯誤で復活を目指す右腕。黄金期に入った広島で再び輝けるか。

〇ヤクルト・古野正人投手
31歳。NPB通算(6年) 通算60試合8勝11敗2ホールド 防御率5.31
 2015年は先発、中継ぎとして27試合に登板し4勝3敗を記録。だが、翌16年には右肩を故障しリハビリに専念するために育成契約となった。

〇ヤクルト・川端慎吾内野手
30歳。NPB通算(12年) 通算869試合3060打数922安打34本塁打322打点
 2015年には打率.336で首位打者、195安打で最多安打を獲得し、チームをリーグ優勝に導いた。だが、17年の春季キャンプ中に腰痛を発症し同年8月に手術を受けリハビリを行い1軍出場はなかった。ヤクルトが誇る安打製造機の復活が待ち遠しい。

阪神は3人も、西武の“松坂二世”も正念場

〇阪神・山崎憲晴内野手
31歳。NPB通算(9年) 通算412試合783打数171安打6本塁打56打点 打率.218
 高い守備力と俊足でユーティリティプレーヤーとして2013、14年には連続で100試合以上に出場したが、16年に左ひざの手術を受けた影響でここ2年で1軍出場ゼロ。昨オフにDeNAを戦力外となったが、トライアウトを受けた後、阪神入団が決まった。内野ならどこでも守れる器用な選手。けがが完治すれば、十分に戦力になるはずだ。

〇阪神・小宮山慎二捕手
32歳。NPB通算(14年) 通算149試合226打数37安打1本塁打8打点 打率.164
 2012年には盗塁阻止率5割をマークするなど、チーム屈指の強肩を誇るがなかなか定位置をつかめなかった。ここ2年でマスクをかぶったのはわずかに1試合。まさに土俵際だ。チームの捕手陣は絶対的な存在がいないが、残されたチャンスは少ない。

〇阪神・今成良太内野手
30歳。NPB通算(12年) 通算470試合1039打数275安打6本塁打68打点 打率.265
 昨季ウエスタンリーグでは106試合に出場するが、まさかの1軍出場ゼロ。12年の阪神移籍後では初めての屈辱だった。日本ハム時代から糸井との親交が厚いムードメーカー。パンチ力はまだまだ健在で、左の代打の切り札のポジションを得たい。

〇西武・豊田拓矢投手
30歳。NPB通算(4年) 通算43試合2勝2敗2ホールド 防御率3.83
 ファームでは35試合登板で防御率2.45とまずまずの数字を残したが、入団後初めて1軍登板がなかった。入団時は松坂そっくりのフォームで話題も集めたが、背番号は19から49に“降格”。右肩の痛みが消え、完全復活を期する。

 また、広島・赤松真人は17年1月に胃ガンの手術を受け、大病から今シーズンの復活を目指している。現時点で所属先が決まっていない松坂大輔、梵英心らも1軍の舞台で再び輝きを取り戻すためトレーニングを積んでいる。

(Full-Count編集部)

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