【MLB】大谷“二刀流”へ米版練習メニュー完成 叩き台は日ハム直伝の「膨大な情報」

キャンプイン前日、軽めのキャッチボール行った大谷【写真:西山和明】

エンゼルス監督は「投手・大谷」に重点、「先発ローテで重要な存在」

 エンゼルスのマイク・ソーシア監督が、今季から加入した大谷翔平投手の“二刀流”起用に意欲を見せる一方、「まず最初にいい投手であってほしい」と投手に重点を置いた調整を行うと話した。バッテリー陣のキャンプインを翌日に控えた13日(日本時間14日)に会見に応じた指揮官は、ビリー・エップラーGMが日本ハムから譲り受けた情報を参考に、大谷の練習メニューを組んだことも明かした。

 ベーブ・ルース以来となる二刀流実現に向け、球団は全面協力体制だ。先発ローテーションは日本流により近い6人ローテを採用する。ソーシア監督は、大谷と契約しなくても採用していた可能性を示唆。「ショウヘイだけではなく他の投手が健康でいられる方法。状況が上手く運び、怪我なくいられれば、先発投手の層はかなりの厚みを持つ。各投手の負担が軽減され、回復が楽になるだろう」と、その効果について語った。

 打者よりも投手としての期待度が高い。「先発ローテで重要な存在」とキャンプイン前からローテ入りを“予告”。そのためにも、キャンプ中は「投手としての基礎をしっかり固めないといけない」と言う。

 メジャーキャンプでは大体、正午過ぎには全体練習が終了。投手は野手よりもメニューが軽く、ウエイトトレーニングを含めても、午後1時頃には帰宅する選手がほとんどだ。ソーシア監督は「ショウヘイは他の投手より少し長い1日を送ることになる」と断言。「オープン戦に向けてきっちりブルペンに入らなければならないし、打席で打ったり走れるようになる」ために練習メニューを組んだという。

「攻撃面でも重要な存在」も「投手に重点を置いて考えている」

 メニューの基礎となっているのは、1月に鎌ケ谷の2軍施設を訪れたエップラーGMが、日本ハム栗山監督から“伝授”された練習メニューだ。

 日本から持ち帰った膨大な情報を参考に、ブルペンに入るペース、打撃練習をするタイミングなどを考慮。その上で「体調に合わせる柔軟なスケジュールでないといけない」と、臨機応変に対応可能なエンゼルス版練習メニューを完成させた。

 指揮官は「攻撃面でも重要な存在」としながらも、改めて「投手に重点を置いて考えている」と明言する。大谷が投げる姿を生観戦したことはないというが、「彼が実力通りに投げられれば、打撃よりもチームに影響を与えるはず」と力を込めた。

 大谷の二刀流挑戦だけではなく、チームとしても6人ローテという新しい取り組みに臨むエンゼルス。近年では前例がない取り組みだけに、場合によっては試行錯誤の春となるかもしれないが、臨機応変に対応しながら実現を目指す。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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