“汚い”から“汚すぎる”真っ直ぐに ホークス3年目育成右腕が狙う支配下の座

今季で3年目を迎えるソフトバンク・野澤佑斗【写真:福谷佑介】

15年育成ドラ1で入団の右サイドハンド野澤「まずは背番号を1桁減らしたい」

 楽しみな素材が主力が集まるA組の門を叩いた。ソフトバンクの宮崎キャンプ。11日からスタートした第3クールで寺原隼人、笠原大芽、笠谷俊介、そして注目を集めている育成選手の長谷川宙輝に加え、もう1人、育成選手がA組昇格を果たした。

 それが、今季で3年目を迎える野澤佑斗投手である。

 2015年の育成ドラフト1位でつくば秀英高校からソフトバンク入り。1年目は結果が出なかったものの、2年目に大きく変貌を遂げた。マリナーズの守護神エドウィン・ディアス投手の動画を参考に、ストレートの握りをそれまでのフォーシームからツーシームに変更。すると、制球が安定し、しかも手元で動くボールが抜群の威力を発揮した。

 育成選手ながら、2軍の中継ぎ陣の一角を担い、ウエスタンリーグ42試合に登板。44回1/3で2勝1敗1セーブ、防御率1.02の好成績をマークした。真っ直ぐは全てがツーシーム。昨季途中には“汚い真っ直ぐ”として紹介した。その右腕の真っ直ぐが一冬越え、さらに威力を増した。

「去年に比べて、変化の量が大きくなりました。コントロールするのは難しくなっていますけど、まだ時間はあるので慣れていけたらいいです」

 昨季までの“汚い真っ直ぐ”が、このキャンプでは“汚すぎる真っ直ぐ”になっているのだという。

シート打撃はB組で登板「A組の方々が危ないから(笑)」

 キャンプでは初日から連日、ブルペン入り。打撃投手での登板なども含め、12日までブルペン“皆勤賞”だった。「去年、打たれたのは、高めにいって変化しなかった棒球になったボール。細かいコントロールはないので、高め、低めの2分割で低めにいくように意識してやってきています。低めに行けば、変化する真っ直ぐなので」。キャンプインはB組だったが、第3クールからついにA組昇格を果たした。

「A組の選手たちと練習出来て、教えてもらえることもたくさんある。そういう選手たちに追いつかないといけないし、追い抜かないと1軍では投げられないと思っているので、色々聞いて学んで、早く上で投げられるようになりたい。まずは、背番号を1桁減らしたいですね」

 多少の荒れ球もまた、野澤の武器。シート打撃はB組での登板となったが、これも本人いわく「A組の方々が危ないから(笑)」なのだとか。となれば、野澤がA組の実戦マウンドに立つのは、紅白戦か、対外試合か。140キロ台の動くストレートを武器に、背番号129はいかなるピッチングを見せてくれるのか。そして、早期の支配下昇格はなるだろうか。

(Full-Count編集部)

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