ドラ1鈴木も驚いた「凄いボール」 中日の最速151キロ18歳右腕は期待大

中日のドラフト2位、石川翔【写真:福谷佑介】

沖縄キャンプ第3クール2日目の15日から1軍キャンプに参加したドラフト2位の石川翔投手

 松坂大輔投手の加入により、大きな注目を浴びている中日ドラゴンズの沖縄・北谷キャンプ。連日、多くの報道陣がキャンプ地に集まり、見学に来るファンの数も例年より遥かに多くなったといわれている。“松坂効果”は、キャンプ地にも大きなメリットを生み出したと言えるだろう。

 その北谷キャンプ。第3クール2日目の15日に初々しさを感じさせながら、先輩投手陣と練習に励む、まだあどけなさの残る3人の投手の姿があった。ドラフト2位の石川翔(青藍泰斗高)、同4位の清水達也投手(花咲徳栄高)、同6位の山本拓実投手(市立西宮高)である。

 2軍の読谷キャンプでプロ1年目のキャンプ生活を行なっていた3人だが、森繁和監督をはじめ、1軍首脳陣が3投手の投球をチェックするため、この日から数日間に渡って1軍のキャンプに参加。早速、他の1軍の投手たちに混ざってブルペンでの投球練習を行い、それぞれが今持ちうる力を存分にアピールした。

 その中でも一段と目を引いたのは、ドラフト2位の石川翔のボールだった。

 昨年のドラフトでは、甲子園出場経験はないにも関わらず、高校生ナンバーワン投手との呼び声高く、1位候補の1人とも目されていた。結果的には2位だったが、1位で即戦力右腕の鈴木博志投手を獲得した中日にとって、2位でこの右腕を指名出来たのは幸運だったと言えるだろう。

左足が地面に着く前に独特の動きをする石川の投球フォーム

「現時点での全力は出せたかなと思います。自分の悪いところは力が入っちゃうところなので、力を入れずにバランスを意識して投げました。手応えは良かったです」

 初の1軍でのブルペンをこう振り返った右腕から投じられるボールは素晴らしい。

 この日は真っ直ぐを中心に45球を投げ込み、弾けるようなミット音をブルペンに響かせていた。最速151キロのストレートは威力十分。まだコントロールの粗さは見られるものの、相当のポテンシャルの高さを感じさせる球筋だった。途中からは隣で1位の鈴木が投球練習を開始。石川は鈴木のボールを「えげつないボールを投げていましたね」と語っていたが、鈴木から石川の球に対して「すげえボール投げているなと思いました」という感想が口をついた。

 石川の面白さは、そのフォームにもある。左足が地面に着く前に独特の動きをする。体をスウェイさせてきて、左足が着地しそうになったところで、ワンテンポ遅れる動きをする。打者にとっては若干タイミングが取りづらそうな投手だ。

 まだまだ体は細身で、まずは体作りが最優先だろう。1年目はしっかりプロで戦える体を作り上げることが求められる。「慌てるなと言われているので、アピールするよりも、この1年は怪我なく終えられたらいいかなと思っています」と石川。鈴木翔太や小笠原慎之介、柳裕也、そしてドラフト1位の鈴木といった20歳台前半で将来性豊かな投手の名前が挙がる中日。3年後、5年後も楽しみになる投手の顔ぶれだ。石川翔。即戦力とはいかないものの、期待大の選手である。

(Full-Count編集部)

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