県内公立高 「ノー部活動デー」 週1回8割 55校調査 月1回土日休養は4割 大会や練習試合集中で

 県内の全日制公立高校55校のうち、県教委が求めるように部活動を週1回休みにしている学校は8割の44校に上ることが16日、長崎新聞社の調査で分かった。また県教委が望ましいとしている「月1回の土曜日曜いずれかの休養日」設定は4割の22校にとどまり、土日に大会や練習試合が集中することも要因となっている。
 県教委は昨年8月、教員や生徒の負担を軽減しようと、▽平日を含む週1回の休み▽月1回の土日の休養日の「ノー部活動デー」を設定するよう各校に文書で要請。長崎新聞社の調査は県内全ての全日制公立高に電話で聞き取り、全校から回答を得た。
 それによると、週1回休みにした効果として、「生徒が勉強に集中できる時間が増えた」「教員の残業が減った」などの声が聞かれた。このうちほとんどの学校は「競技ごとに大会日程が違う」「体育館や運動場を各部が交代で使う」などの理由から、学校全体で休養日を統一していない。また顧問の教員から校長らに、活動日程や実際に休みを取ったことを報告するよう義務づけている学校もあれば、「報告までは求めない」とする学校もあり、徹底の度合いには差もあった。
 週1回の休みがない学校からは「部によって目標ややり方が違うため、休養日は顧問の判断に任せている」とする意見が多かった。月1回の土日の休養日がない学校は6割の33校。「休ませたくても大会や練習試合と重なる」との指摘が多く聞かれた。
 バレーボール男子などが全国レベルの活躍をしている大村工高は、部ごとに週1回の休養日を設け、第4日曜は全ての部が休み。第4日曜に大会などが入った場合は別の土日に休みを振り替えている。バレーボール部総監督の伊藤孝浩教頭は「教員、生徒のリフレッシュが大切。しっかり休まないと高いレベルに達しない」と話す。
 一方、昨年3月まで県教委体育保健課の職員として部活動の軽減を推進していた諫早農高の井崎健一郎副校長は「部活に力を入れている生徒や教員の中では、休養日が(他校に後れを取るなどと考え)焦りにつながっている面もある。理解していても実行は難しい」と打ち明けた。
 県教委は「ノー部活動デー」をさらに浸透させるため、毎月第3日曜の「家庭の日」に大会を開かないよう競技団体に打診したり、指導者向けの講習会を開催したり対策を講じる方針。担当者は「長い時間をかけて取り組む。医学的にも適度な休養が競技力向上に有効だと広めたい」としている。

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