探査機はやぶさ2 小惑星到着へ 市挙げ応援 予定は6月下旬 催事続々 相模原市中央区

 小惑星探査機「はやぶさ」の後継機として2014年に打ち上げられ、現在航行を続ける「はやぶさ2」が6月下旬から7月上旬にかけ、目的地の小惑星リュウグウに到着する見通しとなった。それを受け、はやぶさ2に関するJAXA主催のイベントが実施される中、相模原市も今回のミッションの重要性を広く伝え、小惑星到着を盛り上げようと、様々な企画を展開予定。市民一丸で、リュウグウ到着を後押ししたい考えだ。

 はやぶさ2のミッションは、C型(水・有機物を含む物質があると推定)小惑星リュウグウの探査および、試料を採取して持ち去るサンプルリターンを行い、太陽系での鉱物や水、有機物の相互作用を解明することで地球・海・生命の起源・進化に迫るのが目的だ。加えて、はやぶさで実証した深宇宙往復探査技術をさらに発展させることで、宇宙研究での同分野で世界をリードするねらいもある。

 はやぶさ2とリュウグウとの距離は5月7日時点で約10万Km。順調に進めば、到着予定日は6月21日から7月5日になる見込みだ。ミッション成功率の向上をめざし、運用シミュレーション訓練も行われており、リュウグウへの速やかな到着、着陸などを主眼に進められている。

 これまでJAXAでは、はやぶさ2のミッションを地元住民に広く理解してもらおうと、同機をテーマにしたトークライブを計14回開催。4月28日は、同プロジェクトのプロジェクトマネージャ・津田雄一氏が市民向けにミッションの最新状況について講演するなど機運醸成を図るイベントを行っている。

川口氏・片山氏の対談も

 こうした中、市もはやぶさ2の応援を掲げ、様々な企画を展開。6月12・13日には、市がはやぶさの帰還を称えて制定した6月13日の「はやぶさの日」に合わせ、市内小中学校ではやぶさ給食を行うほか、16日ははやぶさプロジェクトマネージャの川口淳一郎氏と元F1レーサーの片山右京氏が、はやぶさ2の近況をテーマに対談を実施する。ほかにもJAXAの管制室に応援メッセージを送る企画なども予定。市民一丸となって、はやぶさ2のミッションを後押しするイベントが目白押しだ。市の担当課では「イベントを通じ、市を挙げてはやぶさ2の航行を応援していきたい」と意気込みを見せる。

 津田プロジェクトマネージャは本紙の取材に対し、「まもなく小惑星リュウグウにはやぶさ2が到着します。皆さん、一緒に第一発見者になりましょう」と市民にメッセージを送った。

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