長崎新幹線「佐賀空港経由を」 JR九州初代社長が持論

 JR九州初代社長を務めた石井幸孝(よしたか)氏が11日、県庁であった県議会会派「自民」の勉強会で講演。九州新幹線長崎ルートの整備方法について全線フル規格を訴え、ルートは「佐賀空港を通す案を検討すべきだ」と持論を述べた。
 国土交通省が3月に示した収支採算性などの試算では、整備方式が決まっていない武雄温泉-新鳥栖は佐賀を経由する想定。しかし、石井氏は佐賀-博多の時間短縮効果が小さく「佐賀県にメリットがない」と指摘。新幹線開業後は長崎-博多を直接結ぶ特急かもめもなくなり、「客は運賃の安い高速バスに流れる」との見方を示した。
 一方、佐賀空港は「24時間使用できるハブ空港の素質がある」とし、「新幹線を通し、佐賀県は空港周辺に物流基地や工業団地を造ればいい。地域経済が浮揚する」と提言した。
 また、新幹線整備方法について「佐賀県の負担を長崎県が面倒みるとかそういう議論で良いのか」と問い、「100年先に皆から喜ばれるような新幹線を今、決めようとしている」と長期的視点の重要性を説いた。
 石井氏は1987年から97年まで同社社長を務めた。

長崎ルートについて「佐賀空港経由を」と提言する石井氏=県庁

© 株式会社長崎新聞社