はれのひ元社長逮捕 銀行融資3500万円を詐取した疑い

 今年の成人の日を前に突然営業を取りやめた振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市中区、破産)が、粉飾した財務書類を提出して銀行から融資金をだまし取ったとして、県警が23日、詐欺の疑いで、同社の元社長(55)を逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、同社は2016年9月ごろ、新規出店の資金名目で、県内の銀行から3500万円の融資を受けたという。同社はこの時点で実際には債務超過に陥っていたが、売り上げを架空計上して黒字に見せかけた財務書類を提出した疑いがある。

 同社を巡っては、今年1月8日の成人の日を前に突然営業を取りやめ、成人式で晴れ着を着られない新成人が相次いだ。県警は問題発覚を受け、同社の経営実態の把握を進め、融資の経緯を捜査。23日午後に海外から帰国した元社長を成田空港で任意同行し、同日夜に逮捕した。

 元社長は、同社の破産手続き開始が決まった1月26日に横浜市内で記者会見し、融資を受けるために財務書類を偽ったかを問われると「ありません」と回答。詐欺の認識については「必死で社員も私も営業をかけていた。そういうつもりは毛頭なかった」と説明していた。

時折唇をかみながら報道陣の質問に答える「はれのひ」の篠崎洋一郎社長=2018年1月、横浜市中区

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