在日米軍施設の移転候補地・馬毛島を所有・管理しているタストン・エアポート(株)が債権者から破産を申し立てられる

 タストン・エアポート(株)(TSR企業コード:942045602、法人番号:6010901027936、世田谷区成城2-31-17、設立昭和49年10月7日、資本金1億2000万円、立石勲社長)は債権者から破産を申し立てられ6月15日、東京地裁から保全管理命令を受けた。保全管理人には加々美博久弁護士(加々美法律事務所、港区西新橋1-2-9、電話03-3581-3901)が選任された。
 会社側は「事業は継続しており、現在取り下げ要請の方向で協議している」としている。

 旧商号:馬毛島開発(株)とし、在日米軍の陸上空母離着陸訓練施設の移転候補先として取り沙汰された鹿児島県の馬毛島(西之表市)を所有、管理していることで知られる。馬毛島は過去にはレジャー施設の開発や石油備蓄基地の整備などの構想があったが、頓挫。その後、採石などを行い、実質的な無人島になっていたが、近年、在日米軍施設の候補先として浮上したことから馬毛島を所有する当社にも注目が集まっていた。
 平成23年に地元漁師らが当社の乱開発で漁場が破壊されたとして工事差止めなどを求める訴訟を起こしていた。こうしたなか、28年11月に防衛省が馬毛島を買収する方向で当社と合意したことが明らかになったが、その後、交渉に進展がみられず、債権者から破産を申し立てられる事態となった。

© 株式会社東京商工リサーチ