被爆者の無縁仏 住民有志が慰霊 時津・文化の森公園

 長崎原爆の日を前に、西彼時津町元村郷の住民有志が5日、同町野田郷の文化の森公園にある慰霊碑前で慰霊祭を開き、原爆犠牲者や戦没者の無縁仏に手を合わせた。
 一昨年から開き、今年は子どもから高齢者まで約30人が参加した。有志を代表して濱岡英明さん(85)が「原爆に遭って時津町に運ばれ、誰に見守られることなく亡くなった人のみ霊をまつっている。記憶遺産として残るよう、この碑を後世に伝えていきたい」と話した。子どもたちは千羽鶴をささげ、参加者は一人一人線香を手向けて平和を祈った。
 元村郷付近にはかつて江戸時代の伝染病死者を埋葬した墓があり、そこに身元不明の被爆者らも埋葬された経緯がある。慰霊碑は、その供養のため建立された。

慰霊碑に線香を手向け手を合わせる住民ら=時津町

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