平和祈念し献茶 裏千家淡交会 600人が参列

 茶道を通して平和を願う「長崎平和祈念献茶式」(長崎市、裏千家共催、茶道裏千家淡交会長崎支部主管)が4、5日、同市内で初めて開かれ、約600人が参列した。
 主催者を代表して献茶した裏千家の前家元、千玄室さん(95)は戦時中、特攻隊員となり出撃前に終戦を迎えた。2016年、鹿児島県鹿屋市で開かれた特攻隊追悼献茶式に参列した同支部の高木宗郁幹事長が「ぜひ被爆地長崎でも献茶式を」と会員に呼び掛け、開催が実現した。
 5日は松山町の爆心地公園で、原爆落下中心地碑に向かって千さんが抹茶をたてた後、献花。原爆体験記の朗読などもあった。同支部の高木幹事長は「『一わんからピースフルネスを』という大宗匠の思いを、次世代に継承していきたい」と語った。
 献茶式は、来夏以降も継続する予定。

犠牲者の冥福を祈り、献茶する千さん=長崎市、爆心地公園(裏千家淡交会長崎支部提供)

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