ギャンブル依存症対策を強化 菅官房長官、入場規制も検討

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法の成立に絡み、菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)は11日までに、総合的なギャンブル依存症対策の強化を本格化させる意向を明らかにした。競馬や競輪など公営ギャンブル場への入場規制を念頭に、「家族の反対があれば、参加できない仕組みにしたい」と説明。パチンコの射幸性抑制を徹底する考えも示した。神奈川新聞社のインタビューに答えた。

 政府は昨年12月、依存状態にある人の家族の申告で、馬券などのインターネット購入やレース場、場外券売り場への入場を制限できる制度に関する指針を策定。日本中央競馬会(JRA)はネット購入の制限をすでに始めており、他の事業者も同調する動きをみせている。

 菅氏はギャンブル依存症対策法の成立を踏まえ、「今まで全くできていなかったパチンコや競馬、競輪、競艇などの依存症対策をしっかり進めるいい機会だ」と述べ、利用制限も含め改めて事業者に理解を求めていく姿勢を示した。

 一方、パチンコののめり込み防止策については「射幸性を少なくすることをしっかりやる」と説明。今年2月に出玉の上限を従来の3分の2程度に引き下げる関係規則が施行されており、機種入れ替えなどで最大3年間の猶予期間を設けた対策の実効性を確保する考えを明らかにした。

 IR整備法については、「観光立国を目指す日本の新たな起爆剤になる」と強調。シンガポールの大型施設を例に「観光客数は1・5倍に増え、若い女性客が一番多い。カジノ以外にも展示ホールやプール、水族館など世界から多くの人が来場して遊べるものになる」と語り、地域振興への期待感を示した。 

インタビューに答える菅義偉官房長官

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